デイリーフレネ

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2005年04月22日

VOL/1002

//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.当たり前だけれど当たり前ではない…?
2.ゴッホ展に行く!―新宿のお散歩
3.熊谷のお料理―春巻き定食
==================================================
★今日はなんの日
1915 第1次世界大戦でドイツ軍が初めてイープル戦で
   毒ガスを使用。連合軍の死者、5000人。
★今日の花言葉
えぞ菊「信ずる恋」
★今日は誰の誕生日
ジャック・ニコルソン(俳優 米 1937)
★今日の名言
「信の世界に偽詐多く、疑の世界に真理多し」
          ―福沢諭吉「学問のすすめ」より―
-■1.当たり前だけれど当たり前ではない…?■
        ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2004.htm
突然ですが、質問します。
「<体積>ってなあに?」
うっと詰まった17歳じゅん君、「ものの大きさ…?
かな?」
「じゃあ、このビー球とこの鉄球、どっちが大きい?」
「鉄球に決まってんジャン!」
「どうして?」
「……???」
仮説実験授業の<空気と水>の発展JFバージョン
で上記のような質問をしたが、きちんと答えられる
子はいなかった。
これは全国どこへ行っても同じ反応だ。つまり、日
本全国、基本中の基本が教えられていない証拠!ス
トローを使うとジュースが吸える、お醤油さしから
お醤油が出る…、これらはこの基本を把握していな
いと理解できない。
「いいから、早く実験しようよ」と、りょうすけ。
「あのね、『どうしてそうなるか』がちゃんとわか
らなければ意味ないんだよ。フレネの勉強は、そこ
をちゃんとやってるんだからね」と、まっつぁん。
そうなんです!当たり前だけれど当たり前じゃない
こと、これからもちゃんと考えていこうね!
■2.ゴッホ展に行く!―新宿のお散歩■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2004.htm
大人気のゴッホ展。朝早く出発したおかげで、並ば
ずに入ることができました。
よう君とななちゃんはヘッドフォンをレンタルして、
じっくり鑑賞。
「模写って何?」「アトリエって何?」
「それはね…」
質問には全て7歳よう君が答えてくれます。
ゴッホの描いた絵は、色の明るさが特徴。これは、
はっきりした色をパレットに並べ、混ぜることなく
たくさんの筆で描きこんでいくから。
中でも印象的なのは、ゴッホが日本の浮世絵を模写
した作品。(ゴッホは鮮やかな色にあふれた浮世絵
を大変気に入っていたとのこと)
お土産を買って外に出ると…すごい行列!!
「早く来てよかったね」
行列を尻目に、みんなは北の丸公園を通って、法政
大学を目指す。
北の丸公園を抜けたら、靖国神社に寄り道。初めて
訪れたけれど、本堂へ続く道のスケールには圧倒さ
れる。どこを見ても、菊の御紋…。時事問題なだけ
に、今度またゆっくり来たい場所だね。
「おなかすいたー」
「まだー?」「ねぇ、まだー?」
鳥のヒナのようにピーチクピーチク騒ぎ出す、みんな。
歩くこと20分、やっとのことで法政大学学食に到着。
「フレネは新宿にあるんです」ふと見ると、隣に座っ
た大学生とおしゃべりをしている、しほちゃん。
そして帰りも、市谷から新宿までのんびり歩く。風
は強かったけど、ぽかぽか陽気で気持ちが良かったね!
■3.熊谷のお料理―春巻き定食■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2004.htm
今日のお料理は春巻き。まずはみんなでミーティング。
「スープは何にしよう?」
買い物では、杏仁豆腐セットを購入。しっかりとした定
食に。
春巻きは下準備が大変。
「絹さや切るね。」
「じゃぁ、おれは豚肉!」
みんながそれぞれに仕事を進める。とってもスムーズ!
周りの様子を見ては、
「じゃぁ、スープ作るね!」と、ユータ君。
「杏仁豆腐やろうかな。」と、かなちゃん。
みんながとっても積極的。とってもいい雰囲気で進む。
もう大人がやることは、春巻きを揚げる作業だけ。あと
は、みんなの指示の元にお手伝い。みんなすごい!!
「おれの春巻きはでっかいぞ!おれのだかんね!」
とは、かい君。それはそれは、でっかいのなんの…。
みんな揃って食事。お味のほうももちろん最高!
「これは、めちゃくちゃうまい!」
ユータ君担当のたまごスープも、チーズが入った珍しい
レシピでとってもおいしかった!
もちろん片付けもみんなが仕事を探してテキパキと。気
がつけば、りょう君が掃除機といった具合。すごいなぁ。
おいしくて、とっても気持ちのお料理でした!
---------------
春うらら…。新宿スペースはたくさんの新会員。
午前中は、しっかり学習。午後はスペシャル授業!
とってもいい雰囲気…、みなさん、遊びに来てね!
デイリーフレネは、月~金の平日刊です。
みなさん、楽しい週末を!

2005年04月21日

VOL/1001

//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.祝1000号!―寄せられたお便りです
2.新宿のお料理―広島風お好み焼き
3.熊谷のお散歩―バドミントン
==================================================
★今日はなんの日
1989 ゲーム機「ゲームボーイ」発売
★今日の花言葉
やなぎ「従順」
★今日は誰の誕生日
西本はるか(パイレーツ 1978 A型)
★今日の名言
新しい「伝統」の創造/捏造とは、当然にもそれまで存在して
いた「伝統」を否定したところに成立したのである。
   
―森巣 博『越境者たち』下 P169―
-■1.祝1000号!―寄せられたお便りです■
デイリーフレネ1000号記念に何人かの方からメッセ
ージが届きました。その中から幾つか紹介しましょ
う!
● 埼玉県・Kさん
息子の友達が熊谷フレネ がきんちょ(かい君)な
のでたまにのぞせてもらっていています。
(あまり見せると羨ましがって大変なので…そこそ
こ見せたり??)
かい君は楽しく通っているようなので、私たちも頼
もしく見守っている次第です。
ほぼ毎日の更新で、御苦労様です。
子供達の成長(日々の移り変わり)は、目まぐるし
いでしょうから、書く事は沢山有って、その中から
の選び出しが大変なのでしょうね
それにしても、1000号!!! 
おめでとうございます。
----------------
かい君のお友達ですか!?ぜひ、熊谷に遊びに来て
くださいね!
● 長野県・Oさん
こんにちは!デイリーフレネ創刊号からの読者です。
1000号、すごいですね!
創刊号の記事、インパクトありました。確か<てっ
ちゃんの思い出>だったと思います。木幡さんのレ
ッスンを受けた後、2学期の初日、「学校に行かない
!木幡先生のところに行く!」と泣きじゃくった話…。
あの時のてっちゃんは、もう中学生になっているの
ではないでしょうか?
これからも子どもの様子がリアルに浮かぶ記事をお
願いします!
----------------
てっちゃん、懐かしいですね!
http://www.jfreinet.com/daily/index.htm
上記のページから1999.9.10~11の記事をご覧ください。
● 沖縄県・Aさん
木幡さん、ご無沙汰しています。4年前に新宿を訪
問したときにはお世話になりました。
沖縄の教育状況は、本土に追いつけ追い越せという
基本路線のままです。私の住んでいる地域でも<能
力別クラス編成>が行われるようになりました。遅
れている子ども達が集まるクラスは、差別意識も生
まれ、悲惨な状況です。
楽しい授業をベースに、地域に根ざした教育を期待
するのは無理なのでしょうか?
沖縄には毎年いらしているのですね。機会があれば、
また、お会いしたいです。
-----------------
今年も沖縄・鳩間島に行きます。
沖縄では中頭地区を中心に何度も授業巡業したこと
があります。
お声掛けください。いつでも、馳せ参じます。
■2.新宿のお料理―広島風お好み焼き■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2004.htm
「ホットプレートを使った料理を作ろうよ」という
ことで、今日のメニューはお好み焼きです。
● ボビーvsイカゲソ
「何か手伝う事ある?」と、ボビー。
「じゃあ、イカを切ってくれる?」
「オッケー」
快く引き受けてくれたかと思いきや。包丁を握った
瞬間に、豹変したボビー。
「ゲソめ。…よし、僕の勝ちだ」(ほくそ笑む)
…一体どんな勝負をしたの??
● なんだかいい感じ
最後にホットプレートでせっせと焼いてくれるのは、
まっつぁん、ドラゴン。
できあがると、
「できたよ。食べたい子、並んで」
自分の分は後回し。小さい子から優先に切り分けてく
れる、まっつぁん。
自然とできる気遣い。こういう姿を見ると、心がほか
ほかしてくるし、食事もいっそうおいしくなる!
なんと全員がおかわり!おいしかったね!
■3.熊谷のお散歩―バドミントン■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2004.htm
今日のお散歩は近くの農林公園の予定だったけれど、
あいにくの雨天…。天気予報をチェックして、昨日のう
ちに予定を立て直して連絡。
●午前中はのんびり
午前中はみんなでのんびり遊ぶ。久しぶりのトランプ遊
び。みんなで反射神経を競うゲームをしていたけれど、
「やったー!」
「あっ!失敗!!」
と、歓声と笑い声が絶えない。
その後も、
「そろそろお昼食べようかぁ。」と、ほのぼのお昼。
今日の午前中の時間の流れはとってもやわらかだった
なぁ。
●バドミントンで真剣勝負
お昼を食べたら体育館へ移動してバドミントン。そして、
恒例のトーナメント戦を開催。
今日初めて一緒にバドミントンに行ったボラ・しずちゃん。
「すごい!うまい!」みんな大興奮!何ともスマート、且
つしぶといバトミントンをしている。
「負けるな!頑張れ!」と、四面楚歌の中でも、しずちゃ
んのペースは崩れない…。
結果、男の子(スタ・テッシー含む)はみんな玉砕…。ま
ったく歯が立たないのでした!
「がー!悔しい!またやりたい!」と、ユータ君。
新しい風がフレネに吹いた瞬間です!
●練習も頑張るみんな!
1時から4時までの3時間。みんなひたすらバドミン
トンを頑張る。
かなちゃんも、「上手になりたい!」と、練習。ひたす
ら打ち込み、打ち込み…。
「手にまめが出来そう!」というくらいに頑張ったね!
それにしても、飲み込みが早いの何の!どんどん上
達していたね!

2005年04月20日

VOL/1000

//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.ジャパンフレネあれこれ
2.仮説実験授業「空気と水」を楽しもう!
3.お授業―異文化圏での触れ合い方
==================================================
★今日はなんの日
1775 アメリカ独立戦争始まる
★今日の花言葉
キングサリ「さびしい美しさ」
★今日は誰の誕生日
アドルフ・ヒトラー(1889 独・政治家)
★今日の名言
「道草も旅のうち。道草を食えない旅は、旅ではな
い。馬だって道草を食わなきゃ、途中でへたばる」
     ―むのたけじ 詞集『たいまつ』より―
-祝!1000号!1999年以来、苦節6年…。
ついにデイリーフレネは1000号に到達しました!
最初は、手書きのペーパーとして会員にのみ配布し
ていましたが、インターネット上でも発信しようと
いうことになり、HP開設と同時にデイリーフレネ
をメールマガジン発信エンジン<まぐまぐ>に登録
しました。
学級通信同様、この手のものは毎日出さなければ長
続きしません。これからもよろしくお願いいたします。
■1.ジャパンフレネあれこれ■
● <数学入門>に燃える
遠山啓著<数学入門>(岩波新書)を使っての読書
会&レクチャー。本日は、『分離量と連続量』。17
歳じゅん君、16歳ドラゴン&けんご&ゆういちろう
君、そして13歳みつき。
「量ってなあに?」いきなり質問されて、みんな?
????基本中の基本からレクチャーし、単位の話
から社会科学的な話にまで発展する。
「権力者は教育と単位を手中に収めて大衆を支配す
るんだ。豊臣秀吉が何をやったか覚えてる?」
太閤検地における度量衡の改定、白土三平の『カム
イ伝』…。
そして小数・分数の生まれ…、無限論へ…。あっと
いう間の70分!
みんな真剣に聞いてくれて充実!木幡マン、満足!
● 春だ!キャンプだ!長瀞だ!
新宿と熊谷、実行委員が電話でやり取りしながら、
キャンプの内容が決まった。
「えっ?お昼は手打ちうどんなの?キャンプといえ
ばカレーでしょう。おれ、カレー作ろうっと!」
「あ、また木幡さんの自己中がはじまった!」
「木幡さんカレーはいいけれど、ちゃんと野菜の皮
をむいてくれよな」
「うるせー、俺が自費で作るんだから文句言うなよ。
誰にも食べさせない!」
お互い軽口を出しながら、心はキャンプに飛んでい
ますね!
■2.仮説実験授業「空気と水」を楽しもう!■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2004.htm
今日のお授業は、水と空気の実験。
水が入った水槽に、さかさまにしたコップを入れる。
(ア)さて、コップの中身はどうなるの?
(イ)水がいっぱいまで入る。
(ウ)水はほとんど入らない。
(エ)水が半分くらいまで入る。
(オ)その他。
それぞれ予想を立てて、挙手!なぜ、そのように予
想したのか、きちんと根拠も述べなければなりませ
ん。(これがなかなか難しいこと…)
「あのねえ、コップの中には空気が入っているけれ
ど、空気が壁になって水は中に入らないの」と、り
ょうすけ。なるほどなるほど…。
では、それぞれの予想の正誤を確認するためにはど
うすればよいかな??仮説検証しながら、実験は進
んでいく。 小さい子から大きい子まで楽しめます。
コップの中に細い管を入れてみると…どうなるかな?
ここからスポイトの話。一人一人スポイトを持って
外に出る。グループを作り、リレー形式のスポイト
競争。スポイトを上手に使い、遠くにおいてある水
槽から水をすくい、自分達のメスシリンダーに水を
入れる。早く一杯にしたほうが勝ち!
スポイト競争の後は、スポイトを水鉄砲にして、水
のひっかけっこ!これ必然なり!
初夏を思わせるような暖かい一日でした。
■3.お授業―異文化圏での触れ合い方■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2004.htm
春休み中にイラクで拘束された高藤菜穂子さんの講
演を聞いてきたテッシー。今日はそこで感じたこと
をみんなに紹介。
まずは、イラクの位置を地図上で確認。
「今ここで戦争が起きているね。じゃぁ、誰と誰が
戦争をしてるの?」
「アメリカとイラクでしょ?」
「武装勢力」
「悪い人達」などいろんな意見。
「武装勢力って、武装された勢力?そうしたらアメ
リカ軍は?」
「武装してるかぁ。」と、まさる君。
そう考えると『武装勢力』って言葉はどういう意味
を持つのかな?
一概に「誰と誰が戦争をしている」と言えないほど
複雑なのか、それとも情報が曖昧なのかな。
●イラクの現状へ
現在、自爆テロを恐れる駐留軍は、イラク国内に数
々の検問所を設けている。
米兵は前から車が来るのを確認すると、
1.車に向かって手のひらを挙げる
2.空に向かって威嚇射撃をする
3.車に向かって発砲
という順で車を止めることになっているらしい。
「でも、検問所で命を落としている民間人の数はも
のすごい数なんだって。車が止まらないらしいんだよ。」
「悪いことをしていないのなら、みんな普通止まるよね。
なんでだ?」
イラクでは手のひらを挙げることは「こんにちは!」と
いう挨拶であり、空に向かっての発砲は「祝砲」という
嬉しい行為だという。
「イラクの文化を理解しないで現地にいる軍隊が原因?
それとも、その逆なのかな?」
「俺が例えばアメリカに行ったら英語を話すよ。だから、
現地に合わせるべきなんじゃない?」
「どっちもどっちっていう気がするなぁ。」
もちろん正解はない質問だけど、対話の必要性のある
問題。これだけ多くの人が亡くなっていて、文化の違い
では片付けられない状況だけれど、このすれ違いはあ
まりにも悲しいなと思ったのでした。

2005年04月19日

VOL/999

//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.新聞の名前、決定!
2.ものつくり三連発!―新宿
3.お授業―平面から立体へ(熊谷)
==================================================
★今日はなんの日
1975 アメリカ独立戦争始まる
★今日の花言葉
ひえん草「清明」
★今日は誰の誕生日
源氏鶏太(作家 1912)
★今日の名言
「『弱さ』は『強さ』の欠如ではない。『弱さ』というそ
れ自体の特徴を持った劇的でピアニッシモな現象なのであ
る。」
        ―松岡誠剛「フラジャイルより」―
-■1.新聞の名前、決定!■
※ 塚本新聞 
※ スターダスト新聞 
※ フレネニューニュース 
※ ニータイムス 
※ おりこうちゃん新聞 
※ フレネニュースペーパー 
※ 空色新聞
「ぼく、<おりこうちゃん新聞>だけは、いやだなー」
と部長のりょうすけ。
「新聞部じゃないけれど、ぼくもいや!」とよう君。
「<塚本新聞>ってなあに?」
りょうすけが持ってきたのはアニメのキャラクター本。
「<塚本>は勘弁してくれ」
投票の結果はドラゴンの寝返りにより、木幡提案の<お
りこうちゃん新聞>に決定!
ヤッター!嬉しいー!
■2.ものつくり三連発!―新宿■
    ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2004.htm
午後は、ものつくり三連発!
● まずは、オブジェつくり。
「紙粘土ある?」
「おれも作りたい!」
ということで、よう君・まっつぁん。りょうすけが
参加。
よう君の作品は「手」。がっしりと力強い作品。爪
楊枝で爪やしわをつけてある。
りょうすけの作品は「謎の人間」。腕・足・体が微
妙なバランスでくっついている。
まっつぁんは「アーク引越しセンターのおじさん」
を作る。細かい作業は苦手と言っていたけど、ボタ
ンや髪の毛までついています。
● こいのぼり
桜の時期も終わり、こいのぼりを掲げているおうち
もちらほら。
「あっという間に5月になっちゃうね」ということ
で、しほちゃん、ともちゃん、ななちゃんはこいの
ぼりを描くことに。
「ピンク色のこいのぼりなんてないよね…」
と、少し心配そうな、ななちゃん。春らしくていい
じゃない!自分の感性でいいんだよ。
折紙を貼ったり、クレヨンで色つけをしたり。出来
上がった絵は、フレネの入り口に掲示。
● 箱電
「これみんなで作ろうよ」りょうすけが持ってきた
のは、箱型電車、通称“箱電”。
のりもはさみも不要。展開図を組み立てるだけ。と
いうと簡単そうに聞こえるけれど、崩れないように
折り込むのは大変な作業。
「こうかな?」
「ここを押さえてて!」
協力して完成した箱電は、小物入れとして活用しま
す。
■3.お授業―平面から立体へ(熊谷)■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2004.htm
今日は、ものつくりで棚作り。
「みんなでデザインを考えて、そこから必要な材料
を考えてもらいたいんだ。」
まずは、平面から立体への問題。
「平面と立体の違いって何だろう?」という質問か
ら話は膨らむ膨らむ…。
「平面のときは平たくて、立体は本物っぽい。」
「例えば立体はこんな感じ…。」と、絵に描いてみ
たり、みんなそれぞれに、試行錯誤の説明の仕方。
そこで、今日は路線変更。
みんなにコンパスで円を書いてもらう。
「これは、立体、平面どっち?」
「平面!」
そこから立体である球を表現してもらうことに。
「円に何を書いたら球に見えるかな?」
これまた、みんなあれやこれやと試行錯誤。
「影を描けばいいの?」と、かなちゃん。そうだね!
これは、奥行きを表現する方法の一つ。そこで、球
に見えるように影を描いていく。これがまた、上手
いんだなぁ。
「これは?」と、りょう君。スイカの模様、月のウ
サギなどを描いたりいろんなアイデアが出てくる!
「なるほど!すごい!」
球にみえるもんね!
棚作りから思わぬ方向への授業でした。

2005年04月18日

VOL/998

//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.高田渡を偲ぶ…
2.葬儀に参列して
3.新宿のお授業―「足は何本?」その2
==================================================
★今日はなんの日
1942 アメリカの陸軍機B25が東京初空襲
★今日の花言葉
れんげ「感化」
★今日は誰の誕生日
 紀宮清子(天皇第1皇女 1969)
★今日の名言
『ブルース』
泣くなんて ちいさなこと
ため息つくなんて つまらないこと
だのに このふたつの
大きさを とりかえとりかえして
男も女も死んでいく
詩:エミリー・ディキンソン
訳:中島 完
--------------------
高田渡がこの詩に曲をつけて歌っていた。
彼の冥福を祈る…。
-■1.高田渡を偲ぶ…■
四半世紀にわたる友人・高田渡(フォークシンガー)
が亡くなった…。
4月の上旬、北海道の白糠で倒れたことは、これま
た友人のシバ(ブルースシンガー 高田渡と武蔵野
たんぽぽ団を結成)から聞いて知っていたが、まさ
かこんなに早く逝ってしまうとは…。
この1月、ジャパンフレネ主宰の合宿研究会、夜のラ
イブに来てもらったのが最後になった。
彼の歌は1960年代から知っていた。1970年代初頭、
大学をドロップアウトし関西の共同体を放浪してい
たとき、友人が弾いてくれたのが山之口獏の詩に高
田渡が曲をつけた『生活の柄』…。
---------------------
歩き疲れては夜空と陸との隙間にもぐり込んで
草に埋もれて寝たのです 
歩き疲れて寝たのですが眠れないのです
そんぼくの生活の柄が夏向きなのでしょうか
寝たかと思うと寝たかと思うと 
またも冷気にからかわれて
秋は秋からは浮浪者のままでは眠れない
----------------------
1970年代後半公立学校から三鷹市の明星学園の教師
に転身したぼくは、当時全盛を誇っていた教育誌
『ひと』(編集代表 遠山啓 太郎次郎社)の編集
委員も兼ねていた。
念願だった高田渡のインタビュー記事の企画が通り
、彼に連絡し吉祥寺の飲み屋『笹の葉』で会ったの
が最初だった。確か1980年だったと思う。
カウンターだけの飲み屋に集まる人たち全員が彼の
友達だった。ひょうひょうとして媚を売らない彼の
生き方は、上昇志向を求めないマイペースの生き方
をする庶民誰からも好かれていた。
それから彼との長い付き合いが始まった。あるとき
は、路上に出したビールケースの上に座り、またあ
る時はライブの会場で彼といろいろ話すことができ
た。酔っ払って泊めてもらったこともある。
深刻な話は二人ともしなかった。今考えるとたわい
のないこと、雑談の類…。しかし時折、彼の小学校
時代の学校生活の話にもなった。
「当時の学校給食で脱脂粉乳が出たよねえ。あれを
まずいって言う人が大半だけれど、僕に言わせれば、
あんなに美味しいものはなかったね。もう極貧生活
だったから」
「学校の先生なんていい加減だよね。貧しくて給食
費を払えないんだけれど、黒板に払えないやつの名
前を書くんだよ」
あるとき、研究会のイベントでライブをやってもら
った時、遅くまでホテルのロビーで飲んでいた渡ち
ゃん。ロビーのソファーで酔いつぶれて寝込んでし
まったらしい。
ふと寒気がして目覚めると、彼の身体に模造紙が1枚
かけられていたとか…。「ひどいよねえ。模造紙だ
よ、模造紙。せめてシーツにしてもらいたかったな
あ」これは<模造紙事件>として後まで語り継がれ、
そのたびに笑いの種になった。
しかし、彼はよく飲んでたなあ。マス酒の角に塩を
乗せ、塩をなめなめキュッとやる。明星学園時代、
その後の自由の森学園時代、ジャパンフレネの時代
でも年に1回ぐらいはライブをやってもらったが、飲
まないで演奏したことは一回もなかった。ある時は
、缶ビール片手に現れた。
「渡ちゃん、ここは学校だよ」
「いいじゃない、ビールぐらい」
笑ったなあ!
一昨年、吉祥寺の立ち飲み焼き鳥屋・伊勢屋で飲ん
でいた時のこと…。
「教育研究会でトークショー頼まれているんだよね。
学力問題で」
「あ、俺、学力問題、得意!」
「えっ、そうなの?じゃあ二人でトークショーをや
ろう!」
「やろう!やろう!」
しかし、飲んだ勢いとはいえ、こんな感じでトーク
ショー&ライブが決まっていいのかなあ。これも思
い出の一つだなあ。
ぼくの出版記念会でライブをやってもらったことも
ある。
「CDを持って来ようと思ったんだけれど、かみさ
んが『木幡先生の出版記念会に呼ばれたのにCD売
るのは失礼でしょ』って言われたので持って来ませ
んでした」
大爆笑!
偉ぶらない、媚を売らない…。
昨年のクリスマスイブ、吉祥寺の伊勢屋の前を通っ
たら、やっぱりいた。一人で飲んでいた。
「渡ちゃん、1月のライブ忘れてないよね」
「あ、先生!だんだんカポネみたいになってきたね
え!大丈夫、忘れてないから」(この時、ぼくは黒
い帽子を被っていた)
「この人、数学の先生なんだけれど全然数学的じゃ
ないんだよね、変な先生なんだよ」
そして1月の合宿でのライブ…、酔っ払ったぼくは
渡ちゃんの隣に行き、一緒に『生活の柄』を歌った。
合宿でのワークショップでは「俺も何か作品を作って
みようか」と、ちぎり絵に挑戦。
その作品は額装され我が家のリビングの壁に掛けら
れている。<2005.1.9 高田渡>のサインとともに…。
合掌…。
■2.葬儀に参列して■
友人・高田渡の葬儀が吉祥寺カトリック教会で行わ
れた。身内・仲間内の葬儀ということだったが口コ
ミで400人もの参列者が…。
70年代前後の音楽状況を知っている人にはおなじみ
の顔ぶれがたくさん集まった。シバ、大塚まさじ、
加川良、三上寛、友部正人、中川五郎、なぎらけん
いちetc…etc…。
筑紫哲也の挨拶の後、多摩葬儀場へ。彼の思い出を
肴に、ここから延々と飲みつづける…。高田渡なじ
みの伊勢屋、そしてライブハウス「のろ」へ…。
関西出身のシンガーが叫ぶ。
「『渡を先に逝かせたのは誰か!』とぼくは言いた
いよ。あいつは酒もタバコもやらなかったんだ。だ
いたい、ライブのステージで寝ちゃうなんて伝説、
要するに酒に弱いってことなんだよ。ある時、『お
れがタバコを吸うとしたら何が似合うかなあ?』っ
て聞くから、冗談に『缶ピーかなあ?』ってこたえ
たら、翌日、吸えもしないのに缶ピーをぷかぷかや
ってるんだよ。そういうやつなんだよ」
息子の漣君も言っていた。
「これから高田渡」はどんどん神格化されていくと
思うんだけれど、本当は実に困ったオヤジなんです
よ。そういうことも含めて、高田渡を見てほしい」
その通りだと思う。実像と虚像のはざまで、ひとは
ある程度の演技を強いられて生きていくのかもしれ
ない。
この夏、JF主宰の合宿で<高田渡>追悼ライブを
行う。
■3.新宿のお授業―「足は何本?」その2■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2004.htm
今日は前回の授業の続き、「足は何本?」
前回はアリの体についていろいろ考察したね。足
は6本だった。では、
「虫は全部、6本足かな?」
「くもは8本!」
「ムカデはいっぱい足があるよ」
「足がない虫もいるよ、ミミズ!」
と、よう君。
虫の足の数から「昆虫」の話へ。「昆虫」の特徴
は、足の数だけではないね。フレネにあるサソリ
の標本を観察しながら、昆虫との違いを探す。
さらに「哺乳類」・「鳥類」・「両生類」などの
違いや特徴をみんなで考える。
「猫にもおへそがあって、クルクルってなってたよ」
(ちせちゃん)
「かえるの指の間ってこうなってる」(水かきの絵
を描く、よう君)
みんなよく観察しているね!
たくさんの他の生き物と共生している人間。小さな
虫や動物にも命があって、おもしろい特徴をもって
いることを考えた40分でした。