デイリーフレネ

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2005年09月05日

vol/1051

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1051--------- 2005/09/05
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1.夏の思い出…夏の終わり
2.箱根ミニ旅行
3.こはたまんの一夜一冊(4)
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★今日はなんの日

1997 ノーベル平和賞のマザー・テレサ死去、87歳

★今日の花言葉

エルム「信頼」

★今日は誰の誕生日

バッハ(作曲家 独 1725)
ルイ14世(仏国王 1638)

★今日の名言

「気力は眼に出る。生活は顔に出る。教養は声に出
る。悲しかな、声は写真のモチーフにはならない」
              土門 拳(写真家)

※ 教養の蓄積がないと、ついドスの利いたベラン
メエ口調になって威嚇的な言葉を繰り返す。語彙が
豊富でないから、短くて汚らしい言葉を、相手の話
すチャンスを封じめるかのごとく、連発する。
逆に教養のある人の言葉は、相手を包みこむように、
ゆったりとした声で、自己主張の臭みがない。聞き
上手なのである。
土門拳の写真は、対象の声が聞こえるように感じる。
            (現代知的名言集より)


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■1.夏の思い出…夏の終わり■

この夏は、7月の飛ぶ教室で沖縄・鳩間島に行った
きり、どこにも行かなかった。8月に入り各地の小
学校や研究会で授業をし、後は血糖値を下げるため
の教育入院で夏は終わってしまった。

本当に「終わってしまった」と語尾が強くなる感じ
の夏休みだったなあ。なんだか虚しいような切ない
ような、そして胸がきゅんとなるような…。夏の終
わりっていつもこんな感じだなあ。

この夏、小学生の子ども達には初めて課題を出した。
算数と日本語のテキスト、自由研究、そしてこはたま
んへ手紙を書くこと。

ひと夏経つとみんなぐーんと大きくなってやってくる。
さあ、第2期の始まりだ!

● 7さい、ようくんからのお便り

こはたさん、おげんきですか。おきなわに行ってから
夏休みはどこに行きましたか。ぼくは、ホタルを見に
いきました。シーサーもうまく作れました。

ふうとうに四コママンガを入れましたが、かんそうを
かいてください。どうでしたか?ぼくはおもしろいと
おもったけれど、おもしろかったかな。

じゃあ、またフレネであおう。
ばんぱく楽しみにしてるよ。

■2.箱根ミニ旅行■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

8月の末、一泊二日の見に旅行に行ってきました。
昨年も箱根に行きましたが、山歩きはできなかった
ので今年は、ちゃんと歩くぞ!

● 箱根といえば…??

夏休み最後の企画、登山を行うために箱根へ。朝早
く新宿駅に集合して、電車へ。
「まだ着かないの?」
新宿を出てからおよそ二時間、ようやく箱根に到着!

着いたらまずはお昼ご飯!→→
登山は二日目に予定していたので、今日はひたすら
観光。
「箱根といえば!?」
「温泉!」「温泉タマゴ!」
登山という言葉があまり出てこないところが面白い…。

とりあえず珍しいものは食べておくことに。ハチミ
ツソフトクリームを食べて、しゃくれ豆腐。
少し心配だった天気も順調。ケーブルカーから望
む景色はとってもきれい!

今回は7人という少人数での移動。なんとものんび
りで、気ままな旅。
箱根の数ある乗り物の中で、一番のハイライトはやっ
ぱりロープウェー。それはそれは高くて長い…。

「落ちたらやばいよね…。」
「なぁー!揺れた!」
「まだ着かないの??」
みんなそわそわ…。
↑桃源郷にて黒タマゴを購入。
「一個食べると7年長生きするんだって!」
「7歳若返るわけじゃないよ!」

夕方、旅館に到着。温泉に入って、お夕飯まで昼寝…。
「これは、ゆったりでいいなぁ。」とはまさる。
明日の登山に備えて充電!


● 歩く、歩く、また歩く

朝早く旅館を出発して、いざ旧箱根街道へ。ロープ
ウェーに海賊船を乗り継いでようやくスタート地点へ。

旧箱根街道は石畳になっていて、思いのほか滑る…。
「おぅ!危ない…。」と連発!
←歩きながら見つけた、見慣れない植物。
「何これ?種?」
一つ割ってみるも、「???」

緑の中を歩いていると吹いてくるそよ風。これが何と
も涼しくて気持ちいい!いろいろな歴史的な説明も見
ながらゆっくり歩く。
途中のお茶屋さんで休憩。食べるのはやっぱり温泉タマゴ。

二時間以上歩いてようやく到着。結構なハードコース…。

これにて、夏休みの行事もおしまい。第二期に向け


て、準備だね。みんなお疲れ様で

■3.こはたまんの一夜一冊(4)■
  
● 「知の旅への誘い」中村雄二郎 山口昌男
           岩波新書 1981 

20年以上前の本で紙は茶色く変色、匂いも古本臭い。
ぼくの愛読書の一つ。興味が湧いたものにアプロー
チしていく過程で次から次へと知の好奇心が関連付
けられて行き、興味の追求は脈絡なく連綿と続いて
いく。

学校という場所は、これが少ない。一つのカテゴリ
ーの中での冒険しか許されない。一つのコンテクス
トしか認められない。

この本の中には幾つかの引用がある。
山口さんは、以下のような引用をしている。

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初めての道を行くと、目的地を過ぎてもどこまでも
先へ行きたくなる。洞穴を見つけると、用もないの
にもぐってみたくなる。未知の街角があれべ曲がっ
てみたいし、廃屋があればあがりこんでみたい。

……それがいかに知的に組織されたものであろうと、
探検とは光より闇を求めるものなのであり、未知の
神秘を理性の名において白日の下にさらしつつ、な
おをわれわれは新しい神秘をどん欲に求めずにはい
られない。すべての探検は、畢竟、人間の魂の暗黒を
たずねる努力に他ならぬと、私には思えるのだ。

(谷川俊太郎 『散文』同人社)

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固定化された日常を超え、新たな自己を獲得していく
ため行為は<旅>そのものではないだろうか。

しかし、残念!この本は今品切れで手に入らない。