2005年09月27日
vol/1062
============= ◆ 日刊通信 ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1062--------- 2005/09/27
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1.ジャパンフレネあれこれ―新宿
2.熊谷のものつくり―ケーキ作り
3.木幡マンの一夜一冊(6)
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★今日はなんの日
1989 横浜ベイブリッジが開通
★今日の花言葉
かしわ「愛は永遠に」
★今日は誰の誕生日
フランチェスコ・トッティ(サッカー 伊 1976)
★今日の名言
「青年の第一の責務は、自己に最適の仕事を知ることで
ある」
―グラッドストーン(英政治家)―
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■1.ジャパンフレネあれこれ―新宿■
↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm
● 簡単、芸術の秋!
今日は湘南Oさんから教えていただいた、美術のお
授業を。
まず目をつぶって、画用紙に人物の顔を一筆書きで
描く!この一筆書きというのが意外と難しい…
「あ…離れちゃった」「あー!戻れないー」ぶつぶ
つ言いながら。
一筆書きが終わったら、線と線に囲まれた部分の色
を塗ります。
「顔は肌色じゃなくてもいいよね?」そうだね!好
きな色で塗ってみよう!!
色をつけると、ぐっと作品らしくなるねぇ。
色を塗ったら、みんなで発表!
「僕は自分の顔を描いたよ」と、かずき。
絵を描くのは大嫌いと言っていたけど、結構すらす
ら楽しそうに描いていたね。
よう君の作品は、「ピカソの子ども」
髪の毛の生え具合がなんともいい味!
● W田中
個人学習でのこと。
順調に問題を解いたななちゃんにスタおきょうから
のお願い。
「ともちゃんのプリント、丸つけしてあげて。わか
らないところは教えてあげてね」
「うん!」張り切る、ななちゃん。
でもしばらくすると
「…どうやって説明すればいいのかなぁ」ななえ先
生は悪戦苦闘。
さらに
「ななちゃんじゃイヤだ!おきょうがいい!」と、
ともちゃん。
「なにー!」ななちゃん。
いつもこうなってしまうのね。仲がよいのか悪いのか…
● 言葉遣いが悪いと…
最近、フレネで言葉遣いを注意することが多い。
「おまえよぉ、ざけんじゃねぇよ」TVの真似をして
いるらしいけど、あまりに耳障り。
子ども同士で何か注意すると、
「うるせー!ばか!」と、素直に聞き入れず、一言
余計なことを言う。これもよくない。
そこでスタおきょうから
「言葉遣いが悪い人は、出入り禁止にします!」
これがちょっと効いたのか、しばらくすると
「なんだよ、やめろよばか!あ…やめてよ」と言い
直す声が。
なかなか難しいことだけど、ものを伝えるのに言い
方は大事だと思うし、聞いてる周りの子への影響も
大きいと思う。
フレネはみんなで生活する場所なのだから、みんな
の気分を害する言葉遣いは謹んでほしい。
少しずつ直して行きましょうね。
■2.熊谷のものつくり―ケーキ作り■
↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm
一週間休みだったので、久しぶりのフレネ。
「お土産、なーんだ??」と、元気に登場はかい。
「ほら、これ。」と、栗ういろ。
「あー、ういろは嫌いなんだよ!」
なーんて言いながら、モグモグ…。
「もう一個食べてあげようか??」って。
早速今日はものつくり。
「何ケーキにしようか?」というところから話し合
い。
今日は大人はあまり手伝えないので、自分達でど
んどん!作り方、必要なものも自分達で調べる。
「スポンジケーキにしたよー。チョコチップとアー
モンド付き。」
これは美味しそう…。
「これは…、」と、まさる&ユータはなかなかのコ
ンビ!頼もしい!!
ちょこちょこ覗きに行くと、
「~やらないと!」
「あいよ!」
お互いに指示を出し合ったりと、それぞれに仕事を
こ
なしている。すごい!!
オーブンに入れてからはしばし休憩。いい香りがフ
レネに充満してくると、
「まだ食べられないの??」
我慢できないよねぇ、この香りは。
スポンジケーキが焼きあがったら、生クリームをぬ
っていざ、食す。お味のほうは最高!
「これは、上出来だね!!」
始まりから片づけまで自分達でできたね!!
■3.木幡マンの一夜一冊(6)■
● 教育問答「かけがえのない、この自分」
遠山啓 1974 太郎次郎社
教育の仕事に携わるようになって30年も経ってしま
った。この間、ぼくに影響を与えぼくの人生を決定
付けた師ともいえる人が三人いる。その中の一人が、
故遠山啓だ。
※ 後の二人はいづれこの欄に登場するので、今は
秘密です。
遠山先生との出会いは、この本の版元太郎次郎社で
のアルバイト。当時、ぼくは大学をドロップアウト。
全国を放浪した挙句東京に舞い戻り、アルバイトニ
ュースにたまたま掲載されていた太郎次郎社のアル
バイト第1号として採用された。
当時の太郎次郎社は、教育誌「ひと」を媒介に民間
教育のリーダーシップを取っていた。「ひと」の創
刊者および編集代表が遠山啓。水道方式の創始者と
して、日本の算数・数学教育の革新的パイオニアで
もあった。
その当時、遠山啓は雲の上の存在。太郎次郎社の編
集会議に集まる人たちも、当時の教育界を引っ張っ
ていくリーダー達であった。
<井の中から、大海を撃つ>…、みんな、ぼくより
ずっと年上なのに実にいきいきと活動している。あ
あ、こんな人達と一緒に仕事をしてみたい。教師っ
て仕事もいいかもな…。その代表格が遠山啓だった。
数年後、埼玉県で教員になり、いきなり組合の教文
部長にさせられ、秋の教研集会を仕切ることになる。
その時、全体会の講演を遠山先生お願いした。アル
バイトのぼくをちゃんと覚えていてくれ、気持ちよ
く講演を引き受けてくれた。
この後、ぼくも「ひと」の編集委員になり遠山先生
と顔を合わせる機会が多くなっていく。若者ひと塾
という若い教員向けの講座を担当していた時、
「競争という道を走らされている子どもたちに、ま
わりの鉄壁をちょっと押してみることを教えてあげ
ることができるのは、君たち若い教師だ。押せば、
それはいとも簡単に崩れ去り、その向こうに<競争
以外の景色>が見えるかもしれないじゃないか」
とぼく達を励ましてくれたのも遠山先生だ。
遠山先生の推薦によりその後、ぼくは明星学園に勤
務するようになる。算数・数学はもちろんのこと多
方面にわたり、教えを乞うたが、一番は<子どもの
見方・関わり方>だった。
この本は、「ひと」誌に寄せられた読者の質問に懇
切丁寧に応えたものを一冊にまとめ上げられている。
点数と序列・劣等感・競争から好奇心へ・未来の学
校のあり方・評価・障害児問題…。今、読んでも教
育の本質に触れているので全然古臭くない。
遠山啓の正論がかえって気持ちよく響いてくる。そ
して、励まされる。気落ちしたり、自分の人生に疑
問を持ったときなど読んでみるといいかもしれない。
人生に真正面からぶつかっていくものはどんなジャ
ンルだって古典として後世に伝えられていく。この
本は、そんな本の一つだ。