デイリーフレネ

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2005年09月28日

vol/1063

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1063--------- 2005/09/28
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1.写真を読み取る…、写真で伝える
2.ジャパンフレネ新宿あれこれ
3.熊谷のお授業―地図記号作り
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★今日はなんの日

1977 日航機を日本赤軍がハイジャック


★今日の花言葉

小判草「興奮」


★今日は誰の誕生日

伊達公子(1970 テニス)

ブリジット・バルドー(1934 伊 女優)

マルチェロ・マストロヤンニ(1924 伊 俳優)


★今日の名言

「みんな一度成功すると、ずっとこれでメシが食え
ると思ってしまう。でも同じ仕事をしてると新しい
開発ができない。止まれば水は腐ってしまうだろう。
流れなきゃ。流れれば新しい情報や仕事が入ってく
る」

―岡野雅行(岡野工業「代表社員」)―

国内の大企業やNASAからも注文が来るという社
員たった6人の「スーパー町工場」として有名。最
近のヒットは針の先端が0.2ミリという世界一細い
注射針。蚊と同じ。蚊に刺されても痛くない。そん
な注射針を作った。


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■1.写真を読み取る…、写真で伝える■

http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

「写真の授業をするから来てね」
やってきたのは9名!

まずは、写真集の中から1枚の写真を見せる。

※ 素材は、かつて東京写真美術館で行われた
<AMERICAN DOCUMENTS>の
カタログ。

● いつ、どこで、誰が、何を、どうしたか?

「いつごろの写真かな?」
モノクロ写真をみて「江戸時代かなあ?」と、かずき。
「その時代は、まだ写真技術はなかったねえ」
1枚の写真から時代や状況を読み取っていく。

「子ども達が死んでる?」
「違うよ!寝てるんだよ」
「どこで寝てるの?」
「部屋の中」
「これ、外じゃないの?」
「階段の踊り場だ!」
「非常階段かなあ?」
「どんな子ども達?」
「貧しい」
「どうして、そんなことわかるの?」
「だってさあ、靴下が汚れてるし、パジャマも着て
いないよ」

こんな感じで写真を読み取っていく。

最後にりょうすけがこんな風にまとめてくれた。
「戦後のアメリカ。深夜、ビルの非常階段に5人の
貧しい子ども達が寄り添うように固まって眠ってい
た」

● 写真は語る

この写真は、移民だったウィージーの作品。移民を
中心に、アメリカ社会の底辺に生きる人たちをモデ
ルにしていた。アメリカの裏に隠されている孤独や
苦悩を写し取っていった。これを見て君たちは、何
を感じ取るのか?

「写真は、単なる記録じゃないんだよ。写し取る人
の感情が入る一つの表現なんだね」

このほかに、何枚かの写真を見て、何を表現したか
ったのかを考えていった。

● 写真で表現!

「この授業を受けた人には、宿題があるよ」
一人一人に使い捨てのカメラを渡す。

「喜び・怒り・哀しみ・楽しみ、つまり喜怒哀楽を
取ってきて欲しいんだ」

これは、南米の識字教育者・ボアールの手法。
例えば、<哀しみ>をテーマに写真をとってくるよ
うに指示する。

ある人は、野菜を一杯入れた籠をしょっているイン
デヘナの老人の写真を取ってきた。これが何故哀し
みなのか?その男は語る。

「市場で野菜を売って、孫にお土産を買っていこう
と思っていたろうに…。しかし、野菜は一つも売れ
なんだ…」

ここで、<かなしみ>という文字のつづりを教えて
いく。記号としての文字ではなく。語られるものと
しての文字…。

「どんな写真でもいいんだよね」
さあ、子ども達、どんな写真を撮ってくるかな?
どんな喜び?どんな哀しみ?

ジャパンフレネの授業ってこんな感じです。


■2.ジャパンフレネ新宿あれこれ■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

● スクリーンセーバー変更!

フレネにおいてあるパソコンの画面に<木幡文字反
対!>セーバーがかかっている。

「木幡さんの字、何がなんだかわからないよ!」
最長フレネ在籍者・けんごが足掛け6年言い続けてき
た。それが、スクリーンセーバーに…。

「スクリーンセーバー、換えてよ。そうだなあ、
<けんご、早く大学に行け!>にしてよ」

木幡の発言にみんな大爆笑!すでに高検をとっている
けんごです。

● 張子に挑戦!

沖縄の飛ぶ教室。木幡とよう君でひそかに盛り上がっ
ていたのが、琉球民芸の張子。沖縄の作家・豊永さん
から着色以前の無垢の張子を送っていただいた。

まず、着色の楽しさを味わう。小さい子に大人気!同
時に、豊永さんの作品「忍者・タクシー・モノレール
・サル山」も送っていただいた。

来週は、本格的に張子にチャレンジ!

豊永さんのお店<Road WORKS>のHP
      ↓

http://homepage.mac.com/toy.roadworks/iblog/B799229778/index.html


■3.熊谷のお授業―地図記号作り■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

「国土地理院の新しい地図記号を募集します」とい
う触れ込みを見て、今日は記号をテーマにした授業。

「身のまわりにある記号って、どういうものがある
かな?」
「ほらっ!道路の!」と、かい。
「地図の記号でしょ。」
「顔文字は?」
「やじるしも」とはりょう。
みんな身のまわりの記号をどんどん。

記号にもいくつかの仲間わけができるけど、今日は
「一目見てわかる」というのがキーワード。

「これは?」と、出した絵に
「トイレのマークでしょ?」即答。
「これは、世界共通でわかるように作られたもんな
んだね。日本でこれがたくさん使われるようになっ
たのはいつでしょう!」と、クイズ。
しばし考えた後、
「オリンピックとか?・」と、なみちゃん。
「その通り!!」みごとご名答!

『ピクトグラム』という言葉をキーワードに授業を
進める。「言語を超えた記号」という説明にはみん
な興味津々。

●いよいよ地図記号作り!

そして、いよいよ地図記号作り。国土地理院のフォ
ーマットにのっとって、
・『老人ホーム』
・『風力発電用風車』
の地図記号を考える。

「どんな特徴があるかな??」
「杖?」
「車椅子とか。」
でも、それだと違う意味合いも強く出てくるかもと
の意見。

こんなふうに挙げたキーワードを考えながらの作業。

ユータの『老人ホーム』記号は、『優』という漢字
をあしらったもの。いい!その後もニコニコマーク
など優しい作品が出来上がり!

他の子もいろんな特徴を考えながら試行錯誤。いい
作品がたくさんできたね!