デイリーフレネ

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バックナンバー

2006年01月26日

vol/1129

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1129--------- 2006/01/27
//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.さらば!ひでき!また、一年後…
2.熊谷のお料理―酢豚&ホイコーロー
3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(8)
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★今日はなんの日

1983 青函トンネル開通

★今日の花言葉

ななかまど「怠りない心」

★今日は誰の誕生日

モーツァルト(オーストリア 1756)
ルイス・キャロル(作家 1832)

★今日の名言

「楽しそうなヤツは全員不審人物」
―覚せい剤取締り法違反で、懲役一年六月、執行猶
予四年の判決を受けた石丸元章の言葉―

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■1.さらば!ひでき!また、一年後…■

http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

休暇で帰国していたひでき…。いよいよ今日は、お
別れの日。「一緒に昼飯食いに行こうよ」とさそっ
た木幡だったが、ひできは結構遠慮深いんです。

ひできと約束したことはお互いメールを出すこと。
「オーストラリアの学校事情を10日にいっぺんくら
い出してよ」
「木幡さんも情報送ってくださいね」

「よし、ひできにエールを送るぞ!ふれーふれー、
ひでき!」
ふれ!ふれ!ひでき!ふれ!ふれ!ひでき!

「木幡さん、良かったらこれ読んでみてください。
おれ、もう読んじゃったから」
ひできが置いていったのは養老孟司の『超バカの壁』
だった。

一年後の成長と健闘を期待したい。


■2.熊谷のお料理―酢豚&ホイコーロー■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

今日で中華料理シリーズ最終回。いつもと同様、二品
を作ることに。

中でも酢豚を作る手間が大変…。下ごしらえが終わっ
たら、油であげる…。
「こんなにめんどくさいの??」と、ユータ。
「なかなか食べることがないわけだ。」と、納得。

ホイコーローはざっと炒めてあっという間の完成!
「できたよー!」と、なみちゃんが持ってきた中華
鍋のからはとってもいい香り!

なめこの味噌汁はかいが担当。一人で黙々と作って
いる。
「おっ!ワカメ発見!!」
具沢山の味噌汁が完成!

今日もおかずがしっかりしていたからか、ご飯があ
っという間になくなりました!美味しくできたね!


■3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(8)■
                  ―木幡 寛

ささやかに酒を飲む程度の問題であっても、北野は
それを正当化しょうなどど思ったことはない。だい
たい、すべての教師が一般的な道義に縛られてしば
られて生きているはずがない。

北野が小学校から大学までの二十年間(大学を卒業
するのに七年を要した)に、そんな教師に一度たり
とも出会った事がなかった。

小学校一二年の担任だった金子先生は、太平洋戦争
の特攻隊上がり。年から年中、戦闘機の話。北野は
ワクワクしながらそれを楽しみにしていたが、平和
教育の観点から見ると、どうだったのだろうか…。

小学校三年のときの担任倉田先生は、今思うにひど
かった。いや、ひどすぎた。

抜き打ち漢字のテスト百問…。
「五問以上間違えたやつは、間違えた数だけノート
を持って来い!」
集めたノートを教卓の下に保存し、ひいきの子ども
に与えていた。

また、ある時は…、「青銅とは何か、ノートに書い
て来い」

社会科の授業である。みんな辞書や社会科事典で
調べ、先生の前に一列に並ぶ。一人一人点検し、間
違えた子どものけつをけつバット。あるいは、1メ
ートルの物差しで…。

「ぶった後は、『ありがとうございます』って言え!
ヒントは五文字」
誰も正解はいない。
「お前らもっと簡単に考えろ!青銅とは青い銅のこと
だ!わかったか!」

一般的な道義に縛られていない主体的な価値観を持つ
典型的な教師であったが、翌年倉田先生は転勤になっ
てしまった。その後、いまだに行方不明である。
                    (続く)

------------

先日、東京地方をおそった久しぶりの雪。木幡は家
で雪だるまを作って遊びました。

春よ来い、早く来い…。

ではまた、来週!みなさん、楽しい週末を!

2006年01月25日

vol/1128

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1128--------- 2006/01/26
//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.きりたんぽ鍋-新宿
2.お散歩―ボーリング
3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(8)
==================================================
★今日はなんの日

1948 帝銀事件

★今日の花言葉

寒牡丹(かんぼたん)「天才」

★今日は誰の誕生日

ポール・ニューマン(米 俳優 1925)
盛田昭夫(ソニー創設者 1921)
マッカーサー(米 GHQ軍人 1880)

★今日の名言

「(生きるということは)さまざまな速度で死につ
つある微細な死、および崩壊の過程である」
   ―クサヴィエ・ビシャ(18世紀の臨床医)―

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■1.きりたんぽ鍋-新宿■

http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

● 怪しいきりたんぽ係

今日のお料理はきりたんぽ鍋!
みんなでお米をついて、きりたんぽ作ります。

お団子状に丸めながら…
「くっくっく」
何やらたくらんでいる様子のりょうすけ・シー君。
なんだろう??

● 恐怖のきりたんぽ

きりたんぽが出来上がったところに、タイミングよ
くお鍋も沸々と。

「きりたんぽは、一人二個は食べてね!」
と、異様に勧めるりょうすけ。怪しい…

今日のきりたんぽ、実はハズレが含まれているそ
うな!なんと、ハズレのきりたんぽには、七味唐
辛子とチリペッパーとガーリック入り!!

考えただけでゾッとする…

そしてハズレくじを引いたのは…
「辛ーーーーー!」シー君!作った本人自らがハ
ズレくじを引く結果に。

今日も少ない人数でてきぱきと。片付けまでしっ
かりできました!


■2.お散歩―ボーリング■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

今日のお散歩は一年ぶりのボーリング。
「去年はよく行ったのにねぇ。」
そういや、去年は3回くらい行ったような気がする。
これもまたブームみたいなものなのかな??

●始球式でストライク!だけど…

昨日までに予約もしっかりやっておいてくれました。
そして、予約をすると始球式付き。
「おれがやる!」と、かい。

アナウンスがボーリング場に響いて、投げるかい。
そして見事にストライク!すごい!
「おー!すごい!!」
隣のレーンの人たちも大きな拍手!

すると、
「それでは、ゲームを始めてください。」とのアナ
ウンス。
「へ?今の点数にならないの??」と、かい…。

んー、残念…。だけど、みんなは大爆笑でした!

●勝負の行方

1ゲーム目は、ユータとぼくが一位争い。ぼくは半
年振りくらいのボーリング。投げているとあちこち
が痛くなるし、しかもコケる…。なんとか逃げ切り
で勝ち!

2ゲーム目はボラ・コジがダントツの一番!!157点
というスコアをたたき出していました!!
「すごいすごい!!」みんなも大興奮!!


ボーリングは初めてといっていたしおちゃん。だんだ
んと、ボールがまっすぐに!たくさんピンが倒れると、
「おー!やった!」と、みんな。

ボーリングの時はお互いの応援が飛び交ってとって
もいいなぁ!

●ジャパンフセネ??

到着次第、みんなで準備。モニターを見ると、「ジャ
パンフセネ様」の文字。
「なんだー!あれはーー!!」
みんなで大爆笑!!

その後も、何かアナウンスがあるたびに、
「ジャパンフセネ様…、」とのコール。
そのたびに、笑い転げていました!

■3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(8)■
             木幡 寛

常識なんてもにがこの世にあるのだろうか?
モラルなんてだれが決めたんだ?

ここで北野はモラルの意味をごく一般的な道徳とし
てしか押さえていないことに気づいた。さっそく手
元にある国語辞典で調べてみたが、ますますわから
なくなってくる。正しい道?善を行う?

今の世の中、何が正しいのか悪いのか混沌としてい
るじゃないか!ライブなんとかの社長が株の不正行
為を隠しつつ堂々と選挙に出たりしているじゃない
か!

やこれは今に始まったことじゃない。<チャップリ
ンの殺人狂時代>では、「一人を殺すと死刑になり
大量に殺すと英雄になる」なんてセリフもあったは
ずだ。

北野が生徒と酒を飲んだなんてことは、それに比べ
ると全くもって微々たることにすぎない。確かに法
律では二十歳未満の飲酒は禁じられている。それを
守ること守らせることのみが人の行うべき正しい道
なのか?

それならば北野は教師失格、明の父親は父親失格で
ある。しかし、そのことをわかっていても未成年が
酒を飲むことを容認したのは、自分の意志によって
であり、善悪をわきまえ、ケースバイケースで対処
したにすぎないのだ。

もちろん、ドストエフスキーの『罪と罰』に出てく
るラスコーリニコフのように殺人を正当化するよう
な論法は、ここでは論外である。
                   (続く)

vol/1128

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1128--------- 2006/01/26
//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.みんなで作った新アイテム―新宿
2.お授業―人間と動物の違いって??
3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(7)
==================================================
★今日はなんの日

1902 北海道旭川で日本気象観測史上最低気温のマイナス
   41度を記録

★今日の花言葉

みみな草「純真」


★今日は誰の誕生日
石ノ森章太郎(マンガ家 1938)
松本零士(マンガ家 1938)

★今日の名言

「…諸君、 謀叛を恐れてはならぬ。…諸君、我々は生
きるために常に謀叛しなければならぬ。自己に対して、
また周囲に対して…。」
 ―徳富蘆花―

※ 大逆事件の後、関係者の助命をひたすら祈っていた蘆
  花が一高生河上丈太郎の依頼により一高で講演。
  一高長渡戸稲造は講演をさせたということで、文部省
  当局により譴責処分。
  
  聴く人は緊張のあまり拍手する者もいなかったという。


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■1.みんなで作った新アイテム―新宿■

http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

まな板立て作り、三日目。
今日は側面に、りょうすけ・しほも好きな模様を彫
刻刀で付け加えます。

しほに彫刻刀の使い方を伝授するのは、りょうすけ。
手を切らないように…

今日の作業工程は、組み立てとニス塗り。
「あー!割れちゃった!」
と言いながら、みんなで順番に釘打ち。

だんだん形になってきたところで、
「こんな感じかな?」実際にまな板を立ててみる。
「おー!いいじゃーん!」

最後に、もえちゃん・ちせちゃん・しほ三人で仕上
げのニス塗り。

そして完成!
さっそく明日のお料理で大活躍かな?

● ところが…

ニスを塗ったまな板立てを、スペースの端っこに干
していると、
「お!もう完成したんだね!」まな板立てを手にと
って見る木幡マン。

(メキメキ…)

「あー!もう壊れた!」なんと!
板にひびが入っていたところから、釘が外れてしま
った…

明日のお料理前にして、修復が必要です(泣)

■2.お授業―人間と動物の違いって??■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm


今日は先週に引き続いて問答形式の授業。今回は
林竹二氏の授業実践記録を参考に。

※出典:『教育の再生をもとめて
      ―湊川でおこったこと』 筑摩書房 
        林竹二

●最初の質問―
『人間と動物の基本的な違いとは何だろう??』

「やっぱり、足で歩くでしょ?で、手でいろいろ
なことをやって頭が良くなってるんだよ!サルと
かも手を使うし!」と、かい。そして、歩き方を
身振り手振りで説明。

「手を使うことがあるからさぁ。」
「木幡さんの『手の授業』って覚えているかな??」

あとは、
「やっぱり言葉を話すから!」
「じゃぁ、オウムはどうだろう?」
といった感じで話が進む…。

みんなそれぞれの意見。そこから、本当に違うとこ
ろをみんなで考える。いろんな方向から見た意見が
出た!!

●第二の質問
『蛙の子は蛙』から。『人間の子は人間』と言える
か?

「蛙の子どもは?」
「おたまじゃくし!」
見た目も生活環境も違う二つ。だけど、大きくなる
と自然と蛙に行き着く。これって、どういうことだ
ろう??

人間と「ヒト」の違いについても少し話し合ったの
ち、
「じゃぁ、人間の子どもは人間と言えるかな?」
「やっぱり、いろんな性格とかもあるし…。」
「勉強しないとねぇ。」

「それじゃぁ、蛙の場合と違うところってどういう
ところだろう?」
「やっぱり、いろいろなことが選べるのは人間じゃ
ない?蛙はやっぱりいろんなことが決まっているし」

●ベンガルの少女

そして、狼に育てられた・アマラとカマラの話を紹
介。これは、始めて聞く子にとってはかなりショッ
キングだったみたい。

「コップを使うまでに5年もかかったんだよ。みん
なは当たり前に使っているように思っているけれど」

「アマラが死んだときにカマラの目からは一粒ずつ
の涙しか出なかったのね。悲しいというのはカマラ
の行動を見てもわかる。けど、表情には出ない。」
「けど、何年かの後に、友達がカマラをおいて買い
物に行ってしまったとき、ものすごい泣いたんだよ」
「えー!」と、絶句の様子…。

みんなが当たり前のようにしていること(いろいろ
な行動、感情表現など)も、実は人間の社会の中で
育っているからゆえのことなんだね。

では、人間の社会で育つことってどういうことなの
かな?今日のところまでの話をまとめて、感想を書
いておしまい。また次回へ続き!

■3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(7)■
                  ―木幡 寛

さて、そんなこんなで、心優しき生徒や親そして副
担任に囲まれ、充実(?)した生活を送っている北
野に、どこをどう間違えたのか某出版社より雑誌原
稿の依頼が飛び込んできた。

しかもそのテーマがふるっている。
モラル!

ジャジャジャジャーン!とBGMが鳴り響きそうな
重厚なテーマ。これこそ、北野にもっとも似つかわ
しくないテーマはないだろう。

まだ承諾したわけではないのに、さっそくそのうわ
さを聞きつけ、校長の高島と教頭の梅井が北野をひ
やかしにやって来た。

「北野君、モラルについて書くんだって?北野君に
書けるの?

ニヤニヤ笑う梅井の横で高島は、さらに皮肉っぽく
こう言うのだった。
「まあ、うちの教員の春池さん、あれは無常識だけ
れど、北野君の場合は非常識だからね。常識がない
わけじゃないんだ。ただ、常識の基準をどこに置く
かが問題なんだよね。まあ、楽しみにしているから、
がんばって書いてみなさい」

確かに北野は<歩く非常識>として校内に知れ渡っ
ている。それを売りにしている感さえある。本名北
野広治を言葉遊びで、いつもこんな風に紹介するこ
とさえある。

きみと会った今日からは

たのしく毎日過ごせるね

のんで騒いで

こっぷ酒

うしろめたさも少しはあるが

じっと我慢の教師道

(続く)

2006年01月24日

vol/1126

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1126--------- 2006/01/24
//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.ジャパンフレネ新宿あれこれ
2.熊谷のものつくり―フォンダンショコラ
3.同じ夢―ひできのこと(スタ・おきょう)
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★今日はなんの日

1948 帝銀事件

★今日の花言葉

寒牡丹(かんぼたん)「天才」

★今日は誰の誕生日

ポール・ニューマン(米 俳優 1925)
盛田昭夫(ソニー創設者 1921)
マッカーサー(米 GHQ軍人 1880)

★今日の名言

「(生きるということは)さまざまな速度で死につ
つある微細な死、および崩壊の過程である」
   ―クサヴィエ・ビシャ(18世紀の臨床医)―

★ 連載小説は、本日お休みです


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■1.ジャパンフレネ新宿あれこれ■

http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

● まな板つくり

今日のまな板立て作りの作業工程は、
・上面の角材を切る。
・ヤスリをかける。

「糸鋸使ったことある?」
「ある!」よう君。
「ある!指を切ったことがある!」
ともちゃん…

そして切った角材を、みんなでひたすらヤスリがけ!

「しほまーーーん!」と掛け声をかけ、自分を鼓舞
しながらヤスリをかける、しほ。

明日は組み立ててニスを塗ります。順調に進む作業。
目標通り、水曜日には完成かな?

● 長電話

先週一週間お休みをしていた子に、心配でお電話を
かける、しほ。

「もしもし?風邪ひいてるの?大丈夫?」と、しほ。
「うん、うん。えー!そうなの!うん、それで?」
何やら世間話。

「あ、そうだ。お誕生日おめでとう」
お祝いの言葉を述べる、しほ。まだまだ続く電話。

「今度はシー君に変わるね!」
そしてさらに続く…

しほは、とても心配していたんだね。その優しい気
持ちがしみじみと伝わってきた一面でした。

■2.熊谷のものつくり―フォンダンショコラ■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

今日のものつくりはメロンパンの予定だったけれど、
作り方を調べていると、
「所要時間、240分。…。えー!」
「へ?4時間???こりゃきつい…。」

急遽内容変更。中身がとろっとしたフォンダンショ
コラというケーキ作りに!

準備はあっという間。バターの湯せん、チョコレー
トの湯せんなどなど、それぞれに分担してどんどん
作っていく。

気がつけば、
「これで、おしまい?早い!」
みんなの作業が早いおかげだね!!

オーブンに入れて、待つこと15分くらい。
「できたー!」と、オーブンを開けるととってもい
い香り!
もちろんお味のほうも、
「うん!とってもおいしい!!」
「食った?おれ、もっと食っていい??」なんて。

食事が終われば、
「ようし!洗い物するぞ!」と、かい!
「えらい!!」

なんとも全てがスムーズなケーキ作りでした!

■3.同じ夢―ひできのこと(スタ・おきょう)■
   
帰国中のひでき。時間が許す限り、ほぼ毎日フレネ
に顔を出してくれる。とてもうれしいことです。

そして今日も、夕方ひょっこり現れたひでき。今日
はあれこれ話をしながら、駅まで一緒に帰ることに。

駅までの道中、ひできと話したことはまたひとつ私
の喜びになりました。

私がスタッフになってこの一年、スタッフの目が行
き届かないところはボランティアさんが見てくれて、
ボランティアさんがいないときはその役割をフレネ
の大きい子が担ってくれてきました。

「どうやって教えたらいいんだー!」
「責任は負えないよ、荷が重い」
との大きい子の言葉を聞いて、重大な負荷をかけて
るかなと懸念したこともありました。でもそんな気
持ちを救ってくれた、今日のひできの一言。

「俺は日本の大学に行くつもりだから、そのときは
ボラで戻って来ようと思っているよ」と、ひでき。
その一言こそ、今日までフレネという場所で考えな
がら、模索しながら一緒に過ごしてきた所産なのだ
、と。

フレネがいつでも、「来たよ!」とふらっと立ち寄
れる場所であることはうれしい。
それ以上に、フレネを巣立った子が次のステップに
進んだとき、新しい役割としてフレネにかかわりた
い、戻ってきたいと思ってくれることはこの上なく
うれしいことです。
フレネのみんなにとっても、スタッフにとっても大
きな支えになります。

そしてそれが現実となり、そういった形で再会でき
ることは、私のひとつの夢です。お互いに時間のか
かることかもしれないけれど…

「ひでき、じゃあまた明日ね!」
「うん、また明日!」

手を振るのは寂しいことではない。と、すがすがし
い気持ちでひできと別れた帰り道でした。