デイリーフレネ

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2006年01月13日

vol/1119

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1119--------- 2006/01/13
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1.電線塗り絵で遊ぼう!
2.お授業―今年の授業のテーマについて
3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(3)
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★今日はなんの日

1876 この日に記録されたマイナス9.2度が東京の最低気温

★今日の花言葉

千両(せんりょう)「富貴」

★今日は誰の誕生日

伊藤蘭(1955 元キャンディーズ・歌手)

★今日の名言

「反抗は青年の権利だって?とんでもない。反抗は
青年の義務だよ。義務としての反抗とはなんだ、そ
のことに目覚めないなら十分に青年ではないね」

       ―むのたけじ詞集「たいまつ」より

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■1.電線塗り絵で遊ぼう!■

http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

ヨーロッパやアメリカに行くと空が広く感じる…。
「そうか!電線がないんだ!」としみじみ感じる。

今日は、その電線を逆手にとって、電線の有効利用。
題して<電線塗り絵>。

今回のワークショップでコーディネーターの佐々木
久美子さんに教わってきました。

【電線塗り絵】

※ 使い捨てカメラでよいので電線の写真を撮る。
  カラーでも白黒でもよい。

※ サービス版に現像したものをコピー機で2倍に
  拡大する。

※ 電線で囲まれた形のみを色塗りする。囲まれた
  形でも意識的に塗らなくても良い。

※ 隣は同じ色を塗らない。

これだけ!素敵なオブジェが出来上がります。

「よう君、いい色鉛筆持っているね」
「その色かしてね」

みんなで仲良く色塗りしたジャパンフレネの昼下が
りでした。

■2.お授業―今年の授業のテーマについて■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm


今年は、いろいろな出来事を紹介してそれについて
話し合うということをテーマに。しばらくは『優し
さ』という言葉がキーワード。

今日はその導入ということで、
「日本人よ沖縄のことに口を出すな。
アメリカは沖縄から出て行け。」
と叫んで東京タワーをジャックした男の人を紹介。

彼の半生を話していきながら、戦争の悲惨さに巻
き込まれながらもしっかりと息づいている『優し
さ』について見つめてみました。

「来週から、こういう内容を話し合う授業ね。」
というと、「思い出した話があるんだけど…、」
とユータ。


ある小学校で子豚を『飼育』することに。(どう
やら食べるための『養豚』であり、命の大切さへ
繋がる授業の一環であるということらしい)
だけど、一年も経つと愛着がわいてきてその豚を
どうしようという話になるというもの。自分達で
手を加えるか、それとも業者に頼むか…。


「すごい難しいと思うんだよね…。なんとも言え
ないしさ…。」と、ユータ。他の子もだんまりし
てしまうテーマ。これはこれからの授業にとって
も近いお話。

いろいろと授業を重ねていく上で、必ず再考察し
ようということに。

それにしても新年一発目の授業で、子どもからこ
の様な提案が出たのはとっても嬉しいな。この一
年間がとっても充実してきそうです。

■3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(3)■
                  ―木幡 寛  

北野は、もう一度、明からの絵はがきに目を通した。
メルボルンの夜景が写っている。

明のやつもいいかげんな野郎だな。大体、ホームス
テイってのは、夏休みとか冬休みに行うのに…。二
学期も真っ盛り、しかも大学進学を来年に控え、一
ヵ月半のホームステイに行くやつも行くやつだが、
それを了承して行かせる親も親である。もちろん、
「元気で行ってこいや。お土産だけはわすれるな」
という北野も普通ではない。

しかし、北野はこういう明や明の親が好きである。
今の親は学校に気兼ねのし過ぎではないだろうか。
子どもを人質に取られているという弱みはあるもの
の、すべて学校中心に事を運ぶ親が多すぎる。

一昔前は、こうではなかった。家族旅行とか観劇な
ど家庭の行事が学校より優先された。学校に行かな
くたって自力で生きて行けるぐらいの気概が、まだ
家庭に残っていたのだろう。

明ファミリーの行為には、その主体性とか価値観が
確固として読み取れるではないか。一般の常識を超
越し、自分の行き方としての常識を持っているでは
ないか。

北野にしてもそうである。明の絵はがきの文面にあ
るように、腰痛で病休を取っていても、観たい映画
があると、はってでも行くという自己の主体性と価
値観だけは、しっかりと持っている。

「だったら、はってでも学校に行き授業しろ!」と
いう声も聞こえてきそうだが、そういう価値観は持
っていない。病休で後ろめたいとか、外で生徒に会
うとまずいなどとは、全く思わないところが北野の
北野たるゆえんなのである。

                    (続く)

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北海道のHさんから、メールをいただきました。

-------以下、転載。

木幡さんって小説も書くんですか!びっくり!
そういえば、以前、デイリーに書かれていた<買っ
た本のリスト>も面白かったです。私は、ああいう
の好きです。

ああ、こんな本を読んでいるのかと、想像する事が
とても楽しいんです。
小説の続き、楽しみにしています。

-------以上、転載終了。

ありがとうございます。昔書いたものを手直ししな
がら掲載しています。

第3期も1週間が経過し、少しずつリズムが出てきました。
皆さん、楽しい週末を!