デイリーフレネ

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2006年09月08日

vol/1218

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1218--------- 2006/09/08
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1.鉄球で考える木幡マンのおもしろ実験あれこれ―新宿
2.夏休みのレポート発表―新宿
3.お授業『パパママ・バイバイ』―熊谷
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★今日はなんの日
1945年 米軍のジープによる東京進駐開始
1951年 日米安全保障条約、調印

★今日の花言葉
藤袴(フジバカマ)「ためらい」

★今日は誰の誕生日
1963年 松本人志(ダウンタウン・タレント)
1938年 堀江謙一(ヨット冒険家)
1841年 ドボルザーク(音楽家)
????年 聖母マリア(キリスト母)

★今日の名言
「どうして?危ないと思う人は、テラスにへ出ない
だろう。出る人はそれを承知でやっているはずだが
ね。この建物は経ったときからテラスがなかったん
だよ。昔と違うことは、傾きがひどくなってきたこ
とだけだ。…そんなことより、この絵葉書を買って
くれ」
※ 舞台美術家・妹尾河童がイタリア・ピサの斜塔
に行ったとき、斜塔に手すりがなくとても危険と思
い、そのわけを聞いたときの土産物屋の返事
(「河童が覗いたヨーロッパ」講談社文庫より)

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■1.鉄球で考える木幡マンのおもしろ実験あれこれ―新宿■

http://www.jfreinet.com/report/index2006.htm


● 東急ハンズに道具を買いに…

「あれ、鉄球、どこ入っちゃったんだ?」
フレネにはいろいろな実験道具があるので、一体ど
こに何が…?

結局、見つからず東急ハンズまで買いに行ってよう
やく実験開始!

● どっちが大きい?

「この鉄球とビー玉、どっちが大きい?」
「鉄球にきまってんジャン!」
「何が大きいのかわからないよ?面積?重さ?」と
ちせちゃん。

そうなんだね!物質にはいろいろな特性・特質があ
る。その中で他と比較でき測定可能なものを<量>
という。今回は、体積の話。

<物は場所を取る。同時に同じ場所を取ることがで
きない。物が取っている(占めている)場所の大き
さを体積という>。

「じゃあ、鉄球が取っている場所の大きさを確かめ
てみるよ」
鉄球を粘土でくるみ、カッターで真ん中からカット。
二つの窪みが鉄球の取っている場所。二つを合わせ、
その中にビー玉を入れ、振ってみると「カラカラ」
とビー玉の音。鉄球のほうが大きいという証拠だね!

駄目押し!メスシリンダーに水を入れ、その中に鉄
球を入れ、水位が上がった分だけスポイトで水を取
り、粘土の窪みに入れる。ぴったり水が入るね。

● ぼくらはKガリレオ

ここから算数系と科学系に授業が分かれていく。今
回は、科学系!たくさんの斜面を用意してそこに鉄
球を転がし、どっちが先にゴールに着くか?

「それ知ってるよ!前にやったことあるよね」と、
りょうすけ。ところが見事に外れて大笑い。
「テレビで見たことあるけれど…」で解説するけん
ちゃん。

鉄球の大きさを変えてもスピードは変わらないこと
もわかった。あれこれ競争し、「ところでこの斜面
をどんどんどんどん急にして行くと…」
「危ないよ!」
「自然落下になっていくね。落体の実験で有名な人
は?」

そうなんです!ガリレオ・ガリレイは落下スピード
と重さは関係ないことをピサの斜塔で証明して見せ
たというが、今やっている実験は、まさしくそれそ
のもの。

今日の名言で引用したピサの斜塔のお話しをして、
本日、これにて一件落着!


■2.夏休みのレポート発表―新宿■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2006.htm

● 夏休みの課題発表!

夏休みの課題としてみんなに出していた、旅行のレ
ポート。今日はともちゃんとよう君のレポートを紹
介します!

ともちゃんファミリーの楽しそうな写真がいっぱい!
温泉のパンフレットなども添付してくれました。

誰が一番に騒ぎ出すかなぁと思っていたら、目敏く
見つけた一番乗りはりょうすけでした!

「あ!これやばいんじゃない?エロい!!」指さす
りょうすけ。温泉のパンフレットには、裸のお姉さ
んの後ろ姿が写っている!!
「エロいと思ったりょうすけがエロい!!」

そういうお年頃になったのですねぇ。

● おお!よう君の自由研究

よう君の自由研究は、「ちきゅうたんじょうから現
代まで」という超大作!
大きな作品なので、二人がかりで支えてめくる。

「どうしてこのテーマにしたの?」
「んー、恐竜が好きだから。でも恐竜よりもマンモ
スの方が好き」と、よう君。

年表の下には、迫力ある挿し絵付き。さらにはペー
ジの端っこに「まめちしき」なる欄まで!!
「まめちしき:アンモナイトの年齢の数え方」には、
みんな口をそろえて「へぇ~」でした。

みんなが一生懸命やってきてくれた夏休みの課題は、
JFFに出展します!お楽しみに!!

■3.お授業『パパママ・バイバイ』―熊谷■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2006.htm

「横浜に行ったことのある人!」―「はい!」
「人の数はどうだった?」―「そりゃ、たくさん。」

今日は1977年、横浜で起きた米軍機墜落事件のお話。

『米軍の戦闘機が横浜近く荏田町の宅地造成地に墜
落。もちろん被害者も。自衛隊は、墜落直後に米軍
から連絡を受け救難ヘリコプターを緊急発進。10
分後には現場上空に到着した。しかし、墜落前に脱
出しほぼ無傷の米軍パイロット二人を乗せて帰って
いってしまう。』

「え?なんで??怪我人は?」
「近くで工事してた人たちが助けてたんだよ。救急
車すら普通の人が呼んだんだよ。自衛隊とかはもち
ろん知ってたのに。」
「なんだよ!それ!!」
「自衛隊の意味ないじゃん!!」
「ありえないと思うかもしれないけれど、本当の話
なんだよ。」

●ある家族のお話

『怪我人の中にはお母さんに3歳と1歳の子も。こ
の2人の子は全身やけどのため死亡。(3歳の子は
「おばあちゃん、パパ、ママ、バイバイ」と言って
息を引き取った)
残されたお母さんは、子ども達が生きているという
言葉を信じて全身の8割を火傷の治療に耐えていく。
この治療は硝酸銀の薬浴という全身の激痛を伴うもの
だった。』

「転んだりして怪我したときにオキシドールとか塗
ったことある?」
「しみるやつでしょ?」
「あれのお風呂に入るようなもんだよ。皮膚ができて
いないのに。大げさじゃなくて、病院中に悲鳴が響い
たんだって。」
「!」
「それ、やばいよ…。痛いなんてもんじゃない…。」

他にもいろいろなエピソードが残されていて、
「それでどうしたと思う?」と予想をたてながら話を
進める。そして、どれもこれもみんなの予想を超える
ような現実が。悲劇という言葉ではとても表現しきれ
ない。

「なんで?普通そんなんじゃなくて…」と、憤りすら
感じる表情も。だけど、
「本当のことなんだよ。」

●今のみんなには

この事件の話が終わったら、そもそもなぜ日本にアメ
リカ軍があるのかを説明。

「どうしてこのようなことが起きたのか」
「どの様にしたらこのようなことがなくなるのか」を
考える。

「沖縄でもヘリコプターが落ちたよね。」
「たまたま休みだったから人がいなかったんでしょ?」
そう。最近起きた事件だけれど、国家間の対応という
のはそんなに変わっていないんだね。

他にも、イラクの話などいろんな方向へみんなの話
は広がっていく。


最後には感想を書いておしまい。
「アメリカ軍も(軍隊としての要素を持った)自衛
隊もなくなれば米軍機墜落事件もなくなると思う。
ほとんどの人が戦争を反対しているのだから、軍を
持つ必要がない」(ユータ)

戦争が終わってから61年。『戦争』と言う言葉が
現実味を失っている今日。これはとっても幸せなこ
とには違いない。
けれど、沖縄をはじめ、戦争の爪痕と言うのは日本
に深く残っていると言ってもいいかも。ただ、それ
を日々実感する人たちが少数派ということに過ぎな
いのかもしれない。

「現実的には難しいかもしれないけれど…、」とい
う言葉は、平和に関して子どもに向かって使っては
いけないと思う。そして、どんなに理想論といわれ
ても、その理想を次の世代に受け継いでいかなくては。

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夏休み明け1週間、ジャパンフレネは順調なスタート!
気分はすでに体育祭・ジャパンフレネフェスティバル。

皆さん、楽しい週末を!ではまた、来週!