デイリーフレネ

日々の状況や教育エッセイをJF代表・木幡が執筆。メールマガジンでもお届けしています。登録はこちらから

2007年06月01日

vol/1351

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1351--------- 2007/06/01
//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.『フシムヌガタイ―星が語る』
2.熊谷のお授業―『不都合な真実』
3.ひできのオーストラリア便り(6)―レポート
==================================================

★今日はなんの日

1951 1円アルミ硬貨発行

★今日の花言葉

白のカラー「しとやかさ」

★今日は誰の誕生日

山下泰裕(1957 柔道)

マリリン・モンロー(1926 米・女優)

★今日の名言

「楽しんでやれ、とよくいわれますが、ぼくにはそ
の意味がわかりません」

―イチロー262のメッセージ(ぴあ)より―

※ イチローは笑顔で野球をやることを楽しむとは
  とらえていない。楽しむ=充実感を持って野球
  をやることと考えている。


---------------------------------------------------

■1.『フシムヌガタイ―星が語る』■

http://www.jfreinet.com/report/index2007.htm

「本州にあって沖縄にないものはなあに?」
「電車!」
さすがに鉄道好きのりょうすけ。
もう一つは、雪。気象観測上、沖縄では雪が降った
ことがない。沖縄は亜熱帯気候。

「飛ぶ教室」の事前学習、二回目です。

「どうして鉄道がないの?一昨年、モノレールがや
っとできたんだよ」
「????」
「戦争で壊されたの」
その通り!「どことどこが戦ったの?」
沖縄は日本本土の中で唯一米軍との白兵戦があった
場所だ。

「戦争で沖縄の人がたくさん亡くなったんだけれど、
アメリカとの戦争だけで亡くなったわけじゃないん
だよ」

というわけで、本日は沖縄在住の漫画家・比嘉スス
ムさんの作品集『カジムヌガタイー風が語る沖縄戦』
の中から、『フシムヌガタイ―星が語る』の読み聞
かせ…。

これは日本兵(ヤマトンチュー)に殺された沖縄の
人(ウチナンチュー)の物語。

沖縄戦末期になると転戦に次ぐ転戦…、そして敗戦
濃厚…。そこで日本軍はどんなことをしたのか…。
例えば、ガマ(壕)の明け渡しを迫り、拒む住民の
殺害…。婦女暴行…。

沖縄戦は住民にとって敵味方分かれての戦争だけで
はなかった。沖縄戦で日本軍戦死者約6万6千人、ア
メリカ軍戦死者約1万2千人。沖縄住民死者約12万人
(軍属、防衛隊など含む)当時の沖縄の人口は約45
万人だったので、住民の死者は4人に1人の割合。

大きい子も小さい子もしーんと聴いていました。


■2.熊谷のお授業―『不都合な真実』■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2007.htm

今日は一つのグラフから。このグラフはジグザグに
刻まれながらも確実に右肩上がりになっている。
「これは何のグラフかな??」
「環境系でしょ??」と、いきなり大当たり!
これは大気中の二酸化炭素の濃度の変移のグラフ。

「どうしてジグザグなんだろう??」
「夏と、冬?電気の量??」と、まさや。
これまた、いきなり近い!けど、少し違う。地球の大
陸の位置や地軸のお話をしながらみんなで予想。

●氷河の変貌

その後は、ボラ・いいちゃんにお借りしたアル・ゴア
氏の『不都合な真実』の写真を紹介しながら、地球
温暖化の現実を見つめてみる。

「ほとんど、氷がなくなってるじゃん!!」
「ここなんて湖になっちゃってる!!」

結構衝撃的な写真の連続。もともとにあった氷がど
のくらい前からあったものなのか、そして、それがど
のくらい短い時間で失われてしまっているのか。

この時間の差には驚愕せざるを得ない。

●現代の人にできること、すべきこと

そもそもどうしてこういうことになってしまったのだろ
う?
「公害って日本にもあったでしょ?…。」と、少し重な
るようなお話を。もちろんこれが全てではないけれど、
意識の上では関わってくる。

大きく違うのは、地球規模で取り組まなくてはならな
い問題だということ。
「自分ひとりが何かしても、何も変わらないよ。」と、
みんなが思ってしまったらどうだろう??
みんなの子ども、孫の世代のことを考えて行動して
みようね。

■3.ひできのオーストラリア便り(6)―レポート■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2007.htm

● レポート

熊谷フレネで、最近レポートの提出など、論理的に
物事を考え、それを書き出し、他の人に伝える、と
いうエクササイズを行っているようですね。
こちら豪州でも、イヤー11(高校2年生)の初め
に、英語版の小論文の書き方を教わったので、少し
紹介してみます。

小論文の構成は、大まかに5段落に別れ、最初の段
落は、自分の結論の紹介(Introduction)。次からの
3段落は、Bodyとよばれ、一段落ごとに、Introduc
tionで紹介した自分の考えの証明、または構成する
材料を示すために使われます。最後の段落は結論です。
これは、最初の段落で、行ったものを、別の言葉で
書き、更にBodyで紹介した証拠などをひっくるめる
必要があります。

構成としては
Introduction結論の紹介
Body1 一つ目の証明
Body2 二つ目の証明
Body3 三つ目の証明
Conclusion 証明を含んだ結論

という風になります。

うすら覚えですが「戦略思考のできない日本人」と
いう本には、西洋は要塞文明であり物理的にも精神
的にも身を固める文明であると説明してありました。

精神の要塞は、自分以外のどの存在に対しても、自
分の論理的正しさを証明するのが前提です。

これは、読み手に「ここ間違ってるんじゃないか?」
と疑問を持たせるようなあいまいなものではなく、あ
くまでも、証拠を使っての論理的証明が必要となりま
す。さらに、自分の言っていることを相手に伝えるこ
とが目的となっているので、自分の意見が最初にくる
形になります。

日本の小論文の書き方は、とっくに忘れてしまいまし
たが、確か、日本の形式では、結論を最後に置き、
Introductionのところでは、問題提起など、結論への
道を設けるのが基本であったと思います。

言語の違いは、文化の違いにも影響されている様ですね。

-----------

あっという間にもう6月…。後1ヶ月ちょっとでジ
ャパンフレネは夏休みです。

それでは皆さん、また、来週!
楽しい週末を!チャオ!