デイリーフレネ

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2006年01月13日

vol/1119

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1119--------- 2006/01/13
//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.電線塗り絵で遊ぼう!
2.お授業―今年の授業のテーマについて
3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(3)
==================================================

★今日はなんの日

1876 この日に記録されたマイナス9.2度が東京の最低気温

★今日の花言葉

千両(せんりょう)「富貴」

★今日は誰の誕生日

伊藤蘭(1955 元キャンディーズ・歌手)

★今日の名言

「反抗は青年の権利だって?とんでもない。反抗は
青年の義務だよ。義務としての反抗とはなんだ、そ
のことに目覚めないなら十分に青年ではないね」

       ―むのたけじ詞集「たいまつ」より

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■1.電線塗り絵で遊ぼう!■

http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

ヨーロッパやアメリカに行くと空が広く感じる…。
「そうか!電線がないんだ!」としみじみ感じる。

今日は、その電線を逆手にとって、電線の有効利用。
題して<電線塗り絵>。

今回のワークショップでコーディネーターの佐々木
久美子さんに教わってきました。

【電線塗り絵】

※ 使い捨てカメラでよいので電線の写真を撮る。
  カラーでも白黒でもよい。

※ サービス版に現像したものをコピー機で2倍に
  拡大する。

※ 電線で囲まれた形のみを色塗りする。囲まれた
  形でも意識的に塗らなくても良い。

※ 隣は同じ色を塗らない。

これだけ!素敵なオブジェが出来上がります。

「よう君、いい色鉛筆持っているね」
「その色かしてね」

みんなで仲良く色塗りしたジャパンフレネの昼下が
りでした。

■2.お授業―今年の授業のテーマについて■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm


今年は、いろいろな出来事を紹介してそれについて
話し合うということをテーマに。しばらくは『優し
さ』という言葉がキーワード。

今日はその導入ということで、
「日本人よ沖縄のことに口を出すな。
アメリカは沖縄から出て行け。」
と叫んで東京タワーをジャックした男の人を紹介。

彼の半生を話していきながら、戦争の悲惨さに巻
き込まれながらもしっかりと息づいている『優し
さ』について見つめてみました。

「来週から、こういう内容を話し合う授業ね。」
というと、「思い出した話があるんだけど…、」
とユータ。


ある小学校で子豚を『飼育』することに。(どう
やら食べるための『養豚』であり、命の大切さへ
繋がる授業の一環であるということらしい)
だけど、一年も経つと愛着がわいてきてその豚を
どうしようという話になるというもの。自分達で
手を加えるか、それとも業者に頼むか…。


「すごい難しいと思うんだよね…。なんとも言え
ないしさ…。」と、ユータ。他の子もだんまりし
てしまうテーマ。これはこれからの授業にとって
も近いお話。

いろいろと授業を重ねていく上で、必ず再考察し
ようということに。

それにしても新年一発目の授業で、子どもからこ
の様な提案が出たのはとっても嬉しいな。この一
年間がとっても充実してきそうです。

■3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(3)■
                  ―木幡 寛  

北野は、もう一度、明からの絵はがきに目を通した。
メルボルンの夜景が写っている。

明のやつもいいかげんな野郎だな。大体、ホームス
テイってのは、夏休みとか冬休みに行うのに…。二
学期も真っ盛り、しかも大学進学を来年に控え、一
ヵ月半のホームステイに行くやつも行くやつだが、
それを了承して行かせる親も親である。もちろん、
「元気で行ってこいや。お土産だけはわすれるな」
という北野も普通ではない。

しかし、北野はこういう明や明の親が好きである。
今の親は学校に気兼ねのし過ぎではないだろうか。
子どもを人質に取られているという弱みはあるもの
の、すべて学校中心に事を運ぶ親が多すぎる。

一昔前は、こうではなかった。家族旅行とか観劇な
ど家庭の行事が学校より優先された。学校に行かな
くたって自力で生きて行けるぐらいの気概が、まだ
家庭に残っていたのだろう。

明ファミリーの行為には、その主体性とか価値観が
確固として読み取れるではないか。一般の常識を超
越し、自分の行き方としての常識を持っているでは
ないか。

北野にしてもそうである。明の絵はがきの文面にあ
るように、腰痛で病休を取っていても、観たい映画
があると、はってでも行くという自己の主体性と価
値観だけは、しっかりと持っている。

「だったら、はってでも学校に行き授業しろ!」と
いう声も聞こえてきそうだが、そういう価値観は持
っていない。病休で後ろめたいとか、外で生徒に会
うとまずいなどとは、全く思わないところが北野の
北野たるゆえんなのである。

                    (続く)

----------------

北海道のHさんから、メールをいただきました。

-------以下、転載。

木幡さんって小説も書くんですか!びっくり!
そういえば、以前、デイリーに書かれていた<買っ
た本のリスト>も面白かったです。私は、ああいう
の好きです。

ああ、こんな本を読んでいるのかと、想像する事が
とても楽しいんです。
小説の続き、楽しみにしています。

-------以上、転載終了。

ありがとうございます。昔書いたものを手直ししな
がら掲載しています。

第3期も1週間が経過し、少しずつリズムが出てきました。
皆さん、楽しい週末を!

2006年01月12日

vol/1118

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1118--------- 2006/01/12
//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.ものつくり「福笑い」他あれこれ-新宿 
2.ものつくり(熊谷)―今年の新聞の準備
3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(2)
==================================================

★今日はなんの日

1914 桜島大噴火 死者58名
1928 大相撲のラジオ放送開始

★今日の花言葉

にわなずな(スイートアリッサム)「優美」


★今日は誰の誕生日

村上春樹(1949 小説家)
ペスタロッチ(1746スイス・教育思想家)

★今日の名言

「知ることがむつかしいのではない。いかにその知
っていることに身を処するかがむつかしいのだ」
              ―司馬遷「史記列伝」―

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■1.ものつくり「福笑い」他あれこれ-新宿 ■

http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

今日のはみんなで、「福笑い」つくり。
それぞれに、大きな紙に輪郭を描いて、厚紙で顔の
パーツを作ります。そして、それぞれが作った福笑
いを、交互に挑戦するみんな。

「はい、これ右目」パーツを手渡す。
「んー、ここかな」
「はい、ひげ1。はい、ひげ2」
「え!?ひげ、二つもあるの??」

ひげが二つどころか、じゅんじの作ったパーツは、
ひげ1・2・3、一本毛・ちょんまげ、などなど(笑)

目隠しを取って見てみると…
「なんだこれー!」大笑い!

きちんと置いたつもりでも、とてもおかしな顔がで
きあがり。

● 「りょうすけ2006」

福笑いより笑えた、りょうすけの変顔!
タイトルは、「りょうすけ2006」だそうです。

笑う角には福来る!笑い声の絶えない一年になります
ように。

● よう君、いじける

「もうフレネには年賀状書かない!」
来るなりプンプンモードのよう君。

「だってさ、あの通信の一番最初に『明けまして…』
って書いてあるだけじゃん!あれは年賀状じゃない!」

そうか!…それは失礼しました。

「もう書かない!」
完全にいじけてしまった、よう君でした(泣)

※ 代表木幡は、ちゃんとよう君にお返事書きましたよ。


■2.ものつくり(熊谷)―今年の新聞の準備■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

去年の6月から始めた熊フレ掲示新聞作り。さすが
に半年分の記事を重ねて貼っていくと、重そう…。

「今年用に新しくしよう!」
ということで、今日はお散歩ではなくて今年の準備
を行うことに!!

まずはみんなで買出し。
「どの色がいいかな??」と、台紙を選ぶ。青系が
多くて今年のテーマは空の色な雰囲気。

戻ってきてからは、みんなで選んだ模造紙にそれぞ
れの方法でタイトルを作っていく。

かいは黙々と作業。
「お!いいね!」と、声をかけても、
「ん。」と、そっけない。その分手は止まらない。
すごい集中力!

ユータは波切りハサミを使ってこれまたかわいい文
字を画用紙で作っていく。
「できた!どう?」という顔も満足げ!

どれもこれもデザインされていてとってもいいね!

そして、なんとか今日中に完成!出来栄えはとって
もいい!今年もこの上にたくさんのことを重ねてい
こうね!!

■3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(2)■
                  ―木幡 寛         

北野が教師成り立ての頃、先輩の教師は、彼にこう
言ったものだった。
「いいか北野。教師としてやっていくなら、酒と女
と金には気をつけろ。この三つでしくじったやつは
たくさんいるんだぞ」

そのいずれにもスキを見せる北野であったが、女と
金には全く縁がない。36才になっても今だ独身な
のである。どういうめぐり合わせか、酒だけはいつ
もつきまとう。飲んで路上に寝たのも一度や二度で
はない。

しかも、その事を翌日の授業で生徒に話す。良く言
えば、長所も短所も全てさらけ出すのが北野の性格
なのだ。

「北野、そんなことばっかりやっていたらアル中に
なっちゃうぞ」
「馬鹿野郎!俺がアル中なんかのなるかい。いいか、
数学教師がアル中かどうか試す方法が一つある。黒
板にチョークで円を描いてみれば、一発でわかるん
だ」

北野はそういうや、おもむろにチョークを取って黒
板に円を描きだした。
「どうだ!コンパスで描いたような見事な円だろう。
文句あっか?」
「いやぁ、少し曲がってるぞ!」
「立派なアル中じゃねえか!」

こんな北野であったから、生徒は、尊敬しないまで
も(一部にはいるかな?)、親しみを込めて「北野!」
と彼のことを呼ぶのである。

遠足に行けば必ず川に突き落とされるのが年中行事。
生徒も、彼ならば怒らない、ジョークとして一緒に騒
いでくれる。そう思うからこその行為なのであろう。

(続く)

2006年01月11日

vol/1117

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1117--------- 2006/01/11
//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.英樹が来た!―新宿あれこれ
2.ジャパンフレネ熊谷あれこれ
3.新春スペシャル 連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(1)
==================================================

★今日はなんの日

1851 中国で太平天国の乱

★今日の花言葉

においひば 「堅い友情」

★今日は誰の誕生日

ちばてつや (マンガ家 1939)

★今日の名言

「あなたたちはすべて『与えられるもの』と思っている
から失望するのよ。そうじゃなくて『自分が属している
世界は自分の力で変えられる』と思わなきゃ、この先も
失望しっぱなしの人生になっちゃうわよ。」
  
―ピーコ―

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新宿のHP作成ソフトのシリアルナンバーがわから
なくなり、「おーい仲間たち」の映像をアップする
ことが出来ませんでした。本日中には、回復する見
込みです。もう少しお待ち下さい。

■1.ひできが来た!―新宿あれこれ■

http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

「おめでとうございまーす」
オーストラリアに留学しているひできの声でフレネ
の中が明るくなった一日でした。

● 太った?たくましくなった?

ひできの顔を見て、木幡の第一声…、
「太ったんじゃないの?オーストラリア牛肉太り!」
「太ってないすよー」

腕も身体も一回りたくましくなった英樹だけれど、
下あごの周りにも肉がついた。

このやり取りをみていたしほ、「私はどう?」
「うん、むちむち」(爆笑)

おもちの食べ過ぎだって…。

● 人身売買

「木幡さんこれなに?」

ぼくの机の上にあった1枚の請求書には…、<人身
売買 430円> <送料 210円> 
人を430円で買って、その送り賃が210円?

「ああ、これはね『人身売買』という本を買ってね、
その送り賃が210円ってこと」
「あー、びっくりした」

● つばさくろねこ

今週と来週分のお散歩の場所を決める。
「映画見に行きたいよー」と、ともちゃん。
「映画の題名は?うん?『翼黒猫』?そんな映画あ
るの?」
「ちがうよ!『つばさクロニクル』!」(爆笑)

おじさんは、なーんもわかりません。

● 恒例いろいろ

一人一品持ち寄りパーティー、人気は木幡の<餃子
鍋>、まちこちゃんお手製のりんごのケーキ。

これまた恒例、商品つき紐引き。最後は、大カルタ
大会。

恒例続きのオープニング!

● そんな犬いるの?

週刊朝日連載、山藤章二のブラックアングルに出て
いた<犬あてクイズ>。質問にとんちで答える。

例えば、「大阪弁で否定する犬」とか「てれやの犬」
などなど。これをクイズとしてみんなに出題。

「えー、『電子レンジに入りたがる犬』?ほんとに
そんな犬いるの?」(爆笑)

おいおい、まじめに考えるなよ…。


■2.ジャパンフレネ熊谷あれこれ■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

●ミーティング

今日からいよいよ第三期が開始!まずはみんなで
今月の予定を話し合い。

お散歩・お料理・ものつくりとみんなで案を出し合う。
議長のまさるを中心にスムーズな話し合い。

「今月のお料理、何か提案ありますか?」
「八宝菜は?」と、ユータ。
「へ?背中に張るやつ?」と、かい。
「???それってホッカイロでしょ!」と、まさる。
今年もみんな絶好調!!

そして、今年の目標もいくつか提案。
・熊谷通信を作る
・ヒロシマ・ナガサキへ18切符で行く
みんな一致でこれらは決定!

まさるからも掃除のやり方などの提案。いい話し合い
になりました!

●冬休み中の出来事―その1

冬休み中に届いた高卒認定試験の結果。
「テッシー、うかってたよ!!」と、ユータからの電話!
ちょうどボランティアの皆さんとミーティングの最中だっ
たので、実況報告!

夏休み明けから、目標として準備し続けていた国語と
地理が見事に合格!知らせを聞いたみんなも感極ま
って、拍手喝さいの渦でした!

本当に良かった!おめでとう!!

●冬休み中の出来事―その2

冬休み中に行った大掃除。
「12月19日ね!」と、確認をしておいたけれどかい
が来ない…。

すると、今日会って開口一番、
「実はさ、26日掃除に来たんだけど誰もいなくて2時
間も待ったんだよ!」と、かい…。かわいそうに…。

「みんないろいろ買いに行ったと思ってスーパーまで
行っちゃったりして…。」ますますかわいそうに…。

一週間遅れの大仕事でした…。


■3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(1)■
   
かつて木幡が書いた短編小説を手直しし掲載する新
春スペシャル!某雑誌に掲載されました。

         (1)

オーストラリアにホームスティしている明から絵は
がきが届いた。

「ハロー!北野、元気でやってるか?相変わらず、
腰が痛いなんて言ってるんじゃないだろうな!授業
、休むなよ!とりあえず、オーストラリアに着いた
よ。空気はうまいし、めっちゃくちゃに広いし、食
いもんはうまいし、言うことなしだ!そちらも、元
気でやってちょうだい。バイバイー…」

(あいかわらず馬鹿やってんじゃないだろうな。し
かし、明のやつ、この文面を見ると俺のことをまっ
たく師として仰いでいないな。まるで友達感覚じゃ
ないか…。ま、いいか。)

北野広治は、伝統的に自由な校風を持つS県の公立
高校に勤務して12年このかた、先生と呼ばれたこと
がないという全く珍しい資質を持っている。普通は
「北野!」、良くて「北野さん!」または「きたテ
ィー!(北野ティーチャーの略)」としか呼ばれな
いのだ。

もちろん、その原因は、北野自身にある。一応、数
学を担当しているのだが、その教え方が尋常ではな
い。一つの単元をストーリー風に仕立て上げ、その
登場人物が様々な困難にぶち当たり冒険していく過
程で微分や積分を教えていく(高校生向けにこのご
ろは恋愛物も多い)。

一見すると数学の論理性や重厚さなど微塵も感じら
れない軽薄短小の授業を一貫して行っているのであ
る。いわゆる一つのパフォーマンスというやつです
ね!

そんな授業を生徒はニヤニヤしながら拝聴し、「北
野の数学、あれはあれとしておもしろいけれど、大
学受験向きじゃないね」というのが一般的風潮にな
っているのだった。が、しかし、離れてみてわかる
互いの良さってことが世間にあるように、担当者が
代わると妙に懐かしく後を引く、そんな授業なので
ある。

もちろん北野が「先生!」と尊敬の念こめて呼ばれ
ないのは、彼の行状にも起因していることは確かだ。

いつだったか、同僚の教師と飲み屋でしこたま飲み、
気づいたときには教室の机を寄せ集め、その上で大
いびきをかいていたことがあった。間の悪いことに、
クラブの早朝練習に登校して来た女子生徒にそれを
発見されてしまった。

「おはよう!あ、だーれー!また、北野でしょう。
学校はホテルじゃないんだからね!なに飲んだの!
日本酒?ビール?」
「う、うーん…、サントリーのオールドだったかな
あ…もう少し寝かせてくれ…」
「もっといいウイスキーにしなさいよ。せめてリザ
ーブぐらいにさ」

その女子生徒が酒屋の娘だったので、このことは笑
い話として片づき、一つの伝説にさえなったのである。

                    (続く)

2006年01月09日

vol/1116

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1116--------- 2006/01/10
//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.夜中3時まで語りあいました!―文科省指導室長と共に…
2.絵を描く!―ワークショップも楽しかった!
3.友、遠方よりきたる、亦、楽しからずや…
==================================================

★今日はなんの日

1863 イギリスで世界初の地下鉄開通

★今日の花言葉

つげ「堅忍」

★今日は誰の誕生日

ロッド・スチュアート(ミュージシャン 英 1945)

★今日の名言

「願わくば我に七難八苦を与え給え」
                 ―山中鹿之助―
人間とは本来弱い生き物だ。その弱さをカバーするのが、
強い意志の力であり、何事にも屈しない精神力である。
そしてこれを支えるのが、生きるうえでの志であり目的
だと思う。いかがでしょう?

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明けましておめでとうございます。2月には飛ぶ教
室の企画で大雪の<野沢温泉スキー場>に25名で行
ってきます。

今年も楽しいことをどんどんやっていきます。
ジャパンフレネをご支援下さい。

【ジャパンフレネの今年の目標】

● 学校とは一味違う授業の創造

● 一人一人の学びや進路に対応

● 沖縄「飛ぶ教室」の更なる充実


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■1.夜中3時まで語りあいました!―文科省指導室長と共に…■

http://www.jfreinet.com/report/index2006.htm

山梨県勝沼で行われたジャパンフレネが主宰する合
宿に文部科学省指導室長の亀田徹さんが!

指導室は、不登校問題や人権教育などに対応する窓
口。現場の声を生で聞きたいとのことで、おいでい
ただきました。

とても気さくな方で、名物のワインを飲みながら、
楽しい語らいの場ができました。

文部科学省の方とお話できるのはめったにないチャ
ンス。たくさんの質問が出ました。

【参加者から出た質問や意見の数々】

● ゆとりあるカリキュラム、授業時数など今後の
  公教育で可能だろうか?

● 教育バウチャーの問題についてどう考えるか?

● ホームスクーリングや特別支援教育についてど
  う考えるか

● 総合学習の今後は?

● フリースクールへの財政的支援についてどう考
  えるか?

● どれくらいつまづいているかではなく、何につ
  まづいているかを分析すべきでは?

その他、たくさんの質問が出ましたが、個人的見解
も含めいろいろとお話いただき、夜中3時頃までお付
き合いいただきました。木幡は、12時前に沈没です。

また、おいでいただける機会を持ちたいと思います。

■2.絵を描く!―ワークショップも楽しかった!■

http://www.jfreinet.com/report/index2006.htm

合宿では、二日間かけて絵画のワークショップも!
参加者のSさんのレポートです。

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「教育の基礎、基本を追求する」ことから教材(授
業に使える教育材料)を開発していくサークルがB
ASIC(ベーシック)だ。

ジャパンフレネという不登校の子ども達の学びの場
を作っている木幡寛さんが中心に勉強会を続けてい
る。(湘南BASICは茅ヶ崎で。新宿BASIC、
山梨と3箇所でどの場所でも月1回勉強会を開いている)

木幡さんは合宿が大好きで多いときは年に4回なん
てこともあった。(今は流石に年に2回ペースだが)
で、お寺で合宿をやる。

お寺の中は古い田舎家のようで、大広間があり、父方
の古い家のように懐かしく感じる。子どもの頃はその
家は大嫌いだった。なにやら古臭く、おどろおどろし
いのだ。しかしこの歳になると、逆に心が落ち着く。

古臭いという言い方がまさにそのもので独特のかび臭
さとか、すき焼きのような醤油や味噌などの生活臭
が柱や、鴨居に染み付いている。縁側なども風情が
ある。決して立派な建物ではないところが風格があ
って、なごむ。飾られているものも骨董品のようなも
のが置かれている。いい感じだ。

(1) 書きたい意欲

今回は絵のワークショップ。佐々木先生はアーティ
ストだ。ご自身が小学校5,6年のときに出会った先生
に絵画の面白さを教わり、画家になった。

ご自身が子どもの頃の作品がスライドで残っており、
それを鑑賞した。5年生とは思えない迫力がびしびし
伝わってくる。

「先生は決して『こう書きなさい』とは言われなかっ
た。一番書きたいものは何か。それをクラスで討論す
るんです。そして一番描きたいところから描くんです」

「皆さん、今描きたいものは何ですか。」って言われ
ても。
「じゃあ一言ずつ、今思っていることを言ってくださ
い。」

一体絵までたどり着けるのか。2順くらい話した。
「Sさんを除いてみんな疲れていると思いました。」
との参加者の言葉が面白かった。

そうか、自分は元気に見えるのか。何だか嬉しか
った。でも未だ絵を描くまで行かない。とうとう
1日目は絵を描かずに終わった。2時間30分。

この時間って何だか面白かった。大概は皆絵が嫌
いで、傷ついた経験を持っているのも不思議だっ
た。

「絵が得意です。好きです。」は確かに余り聞いた
ことが無い。絵画に求めるもの、学校教育での図工
はどういう意味があるのかなど、普段話さないこと
を皆で語り合うのはいい刺激になった。

(2) 絵を描く時間の濃密さ

あれだけお預けを食ったのだから「とにかく描かせ
てよ」何を食べるか散々迷っているうちに「もうい
いから何でもいいから食べさせて。」といった感じ
でスタート。

ぼくは自分の手を描いてみた。人工物ではなく、ま
た、「絵の具で塗ると失敗する。」
特に顔を描きたかったが誰かにモデルになってもら
うのが悪いので、自分の手になった。

一番描きたいところから。絵の具を混ぜ、少しずつ、
少しずつ塗っていく。皆一言も喋らず集中している。

ぼくは楽しかった。こんなに時間をかけて絵を描く
ことは普段出来ないからだ。それは他の事をしない
で充分絵に関われる至福の時間だった。

描き終わり、我ながら気に入った。
「これはまさに自分の腕だなあ。」

嬉しかった。


■3.友、遠方よりきたる、亦、楽しからずや…■
   
年末年始は忘年会・新年会と飲む機会が多い。
かつての教え子が招いてくれた新年会では30名以上
が参加し、二次会にも20名以上が新宿ゴールデン
街に繰り出した。

今も昔も教え子達とはお友達づきあい。
「いやいや久しぶり、もう27にもなったのかい」
「木幡さん子どもが生まれたんだって?マジ!?」

久しぶりの友に会うといった感じだ。
海外で仕事をしている教え子も多数いる。
そんな教え子の一人からのメールを紹介しましょう。

------------以下、転載。

明けましておめでとう御座います。
お久しぶりです。自由の森でお世話になったTです、
木幡さんはお元気でしょうか。

今日Nさんが幹事をやられている集まりに出席する
予定でしたが体の調子が悪く欠席することになりま
した。

本当は木幡さんに会えるのをとても楽しみにしてい
たのですが、残念です。Tさんから伺ったのですが
今年の夏頃に女の赤ちゃんが誕生したとのことでお
祝いの物も今日お渡しできると考えていましたが、
今回は残念ですが郵送させていただくことにします。


私は現在大学を卒業してテキサスはエルパソという
アメリカとメキシコの国境の都市にて自動車などに
使われる電線、電気系統を作る会社でバイヤー・輸
入を担当しています。

もしお時間が取れればこちらの方にもおいでくださ
いね。

木幡さんもお忙しそうではありますがお体を大切に
今年も頑張ってください。

それでは又。

-----------

なにやら、日本語より英語が上手になったみたいで変
な気もするが、こんなメールは実に嬉しいなあ!