デイリーフレネ

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2006年01月25日

vol/1128

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1128--------- 2006/01/26
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1.みんなで作った新アイテム―新宿
2.お授業―人間と動物の違いって??
3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(7)
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★今日はなんの日

1902 北海道旭川で日本気象観測史上最低気温のマイナス
   41度を記録

★今日の花言葉

みみな草「純真」


★今日は誰の誕生日
石ノ森章太郎(マンガ家 1938)
松本零士(マンガ家 1938)

★今日の名言

「…諸君、 謀叛を恐れてはならぬ。…諸君、我々は生
きるために常に謀叛しなければならぬ。自己に対して、
また周囲に対して…。」
 ―徳富蘆花―

※ 大逆事件の後、関係者の助命をひたすら祈っていた蘆
  花が一高生河上丈太郎の依頼により一高で講演。
  一高長渡戸稲造は講演をさせたということで、文部省
  当局により譴責処分。
  
  聴く人は緊張のあまり拍手する者もいなかったという。


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■1.みんなで作った新アイテム―新宿■

http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm

まな板立て作り、三日目。
今日は側面に、りょうすけ・しほも好きな模様を彫
刻刀で付け加えます。

しほに彫刻刀の使い方を伝授するのは、りょうすけ。
手を切らないように…

今日の作業工程は、組み立てとニス塗り。
「あー!割れちゃった!」
と言いながら、みんなで順番に釘打ち。

だんだん形になってきたところで、
「こんな感じかな?」実際にまな板を立ててみる。
「おー!いいじゃーん!」

最後に、もえちゃん・ちせちゃん・しほ三人で仕上
げのニス塗り。

そして完成!
さっそく明日のお料理で大活躍かな?

● ところが…

ニスを塗ったまな板立てを、スペースの端っこに干
していると、
「お!もう完成したんだね!」まな板立てを手にと
って見る木幡マン。

(メキメキ…)

「あー!もう壊れた!」なんと!
板にひびが入っていたところから、釘が外れてしま
った…

明日のお料理前にして、修復が必要です(泣)

■2.お授業―人間と動物の違いって??■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2005.htm


今日は先週に引き続いて問答形式の授業。今回は
林竹二氏の授業実践記録を参考に。

※出典:『教育の再生をもとめて
      ―湊川でおこったこと』 筑摩書房 
        林竹二

●最初の質問―
『人間と動物の基本的な違いとは何だろう??』

「やっぱり、足で歩くでしょ?で、手でいろいろ
なことをやって頭が良くなってるんだよ!サルと
かも手を使うし!」と、かい。そして、歩き方を
身振り手振りで説明。

「手を使うことがあるからさぁ。」
「木幡さんの『手の授業』って覚えているかな??」

あとは、
「やっぱり言葉を話すから!」
「じゃぁ、オウムはどうだろう?」
といった感じで話が進む…。

みんなそれぞれの意見。そこから、本当に違うとこ
ろをみんなで考える。いろんな方向から見た意見が
出た!!

●第二の質問
『蛙の子は蛙』から。『人間の子は人間』と言える
か?

「蛙の子どもは?」
「おたまじゃくし!」
見た目も生活環境も違う二つ。だけど、大きくなる
と自然と蛙に行き着く。これって、どういうことだ
ろう??

人間と「ヒト」の違いについても少し話し合ったの
ち、
「じゃぁ、人間の子どもは人間と言えるかな?」
「やっぱり、いろんな性格とかもあるし…。」
「勉強しないとねぇ。」

「それじゃぁ、蛙の場合と違うところってどういう
ところだろう?」
「やっぱり、いろいろなことが選べるのは人間じゃ
ない?蛙はやっぱりいろんなことが決まっているし」

●ベンガルの少女

そして、狼に育てられた・アマラとカマラの話を紹
介。これは、始めて聞く子にとってはかなりショッ
キングだったみたい。

「コップを使うまでに5年もかかったんだよ。みん
なは当たり前に使っているように思っているけれど」

「アマラが死んだときにカマラの目からは一粒ずつ
の涙しか出なかったのね。悲しいというのはカマラ
の行動を見てもわかる。けど、表情には出ない。」
「けど、何年かの後に、友達がカマラをおいて買い
物に行ってしまったとき、ものすごい泣いたんだよ」
「えー!」と、絶句の様子…。

みんなが当たり前のようにしていること(いろいろ
な行動、感情表現など)も、実は人間の社会の中で
育っているからゆえのことなんだね。

では、人間の社会で育つことってどういうことなの
かな?今日のところまでの話をまとめて、感想を書
いておしまい。また次回へ続き!

■3.連載小説「教師のモラル」-仰げば尊と師(7)■
                  ―木幡 寛

さて、そんなこんなで、心優しき生徒や親そして副
担任に囲まれ、充実(?)した生活を送っている北
野に、どこをどう間違えたのか某出版社より雑誌原
稿の依頼が飛び込んできた。

しかもそのテーマがふるっている。
モラル!

ジャジャジャジャーン!とBGMが鳴り響きそうな
重厚なテーマ。これこそ、北野にもっとも似つかわ
しくないテーマはないだろう。

まだ承諾したわけではないのに、さっそくそのうわ
さを聞きつけ、校長の高島と教頭の梅井が北野をひ
やかしにやって来た。

「北野君、モラルについて書くんだって?北野君に
書けるの?

ニヤニヤ笑う梅井の横で高島は、さらに皮肉っぽく
こう言うのだった。
「まあ、うちの教員の春池さん、あれは無常識だけ
れど、北野君の場合は非常識だからね。常識がない
わけじゃないんだ。ただ、常識の基準をどこに置く
かが問題なんだよね。まあ、楽しみにしているから、
がんばって書いてみなさい」

確かに北野は<歩く非常識>として校内に知れ渡っ
ている。それを売りにしている感さえある。本名北
野広治を言葉遊びで、いつもこんな風に紹介するこ
とさえある。

きみと会った今日からは

たのしく毎日過ごせるね

のんで騒いで

こっぷ酒

うしろめたさも少しはあるが

じっと我慢の教師道

(続く)