デイリーフレネ

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2007年03月06日

vol/1310

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1310--------- 2007/03/06
//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.ひできのオーストラリア便り(4)「落ちこぼれの違い」―1
2.フレネ映画 いよいよ演技練習!-新宿
3.お授業―フレネ、そして学校
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★今日はなんの日
1957 黒いアフリカ、ガーナが独立

★今日の花言葉
ひなぎく(明朗)

★今日は誰の誕生日
アンジェイ・ワイダ(映画監督 ポーランド 1926)
ミケランジェロ(芸術化 伊 1475)

★今日の名言

「愛国心は、無頼漢の最後の避難所である」
―サミュエル・ジョンソン(英国の文人)―

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■1.ひできのオーストラリア便り(4)「落ちこぼれの違い」―1■

http://www.jfreinet.com/report/index2006.htm

「落ちこぼれの違い」―1

日本での落ちこぼれと言われる人は、こじつけの学
習の押し付けに、「自分はこんなことしたくはない」
と思っている人の反発の意識が、無意識のうちに勉
強のレベルを下げ、その結果学校からつまはじきに
された人ではないでしょうか。

意識または無意識のうちに、反発心というものがあ
り、それがその人の自己同一性確立の柱ならば、反
発しなければ、自分というものが崩壊してしまうの
です。

崩壊というものよりかは、自己同一間の確立の失敗
が待っているのでしょう。そして、失敗がもたらす
ものとは、深い心の亀裂と、それを肯定しようと、
内在する意識が引き起こす自己防衛のための自己嫌
悪です。

一方、オーストラリアの落ちこぼれ群は、ただ「や
りたいこと」といものが周りから評価されづらいも
のであったり、ただその場での楽しい時間を過ごし
ていた
いだけです。

前者は、自己同一性確立が変な方向に確立されてし
まっているだけです。一緒にジムに行くことがある、
マリファナの売人だった友人はこう言っています。

「マリファナを売ればいつでも枕の下に大金を置い
て居れるじゃないか、まじめに働くのも悪くはない
が、それでは少ないじゃないか。別の収入源があっ
て、そのおかげで遊んで楽しく今をやっていけるか
ら別に何も俺は悪いことはしてないよ。何かやりた
いことがあるから、みんな働くんだから。マリファ
ナの種類にもよるけれど、欲しい人がいるから売れ
るんだし、俺は、その人達に商品を渡してるだけだ
よ。今を楽しまないで、未来の為にとがんばっても、
それは今を無駄に過ごしているだけだと思うよ。ち
ょっと法律に触れることはあっても、俺は別に悪い
とは思ってないよ」

彼は、鉄格子の部屋で半年間過ごさなければならな
いのですが、しっかり働くこともでき、将来やりた
いことなどがあれば、しっかりやっていけるものと
思います。

彼はいくらでも、その自立、自治心を別の方法で生
かすことができます。後者は、うっすらではあるけ
れども、やりたいことにむかって自分の身を挺する
ことはできます。

オーストラリアで、やりたいことを持っていない人
に出会ったことは未だありません。オーストラリア
で、一見自己嫌悪に陥ってるように見える生徒も、
自分の目標に対して、自分の能力が劣っているとい
うことを後ろめたい思いで考えているだけです。

オーストラリアの人達には、何をしたいのか、それ
に対して何をするべきなのか、というものがしっか
りあります。

彼ら、オーストラリアの生徒の高校へ通う目的とは、
すなわち自分の目標を達成するためであり、高校と
は、その目標に対しての自分の能力を補う場所とし
てしっかりと位置づけられています。

そして、その高校のシステムは至って明快で、自分
のやりたい科目を好きなように選べることです。高
校の後大学に入っても学びたいという生徒は、その
大学のために必要な資格、また大学に入ってから進
む科目の前準備の為の教科を選べます。

また、高校一年生にして、二年生の科目、二年生に
して三年生の科目を一つ以上取れます。これによっ
て、沢山の科目をやりたい生徒は、前年からその準
備ができるようになります。「押し付け」ではなく、
自分のやりたいことに必要な科目を選ぶことができ
るので「自分はこんなことはしたくない」などと悩
んでいる必要は少ないのです。
                    (続く)


■2.フレネ映画 いよいよ演技練習!-新宿■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2006.htm

なんとかまとまった台本。今週からいよいよ実際にセ
リフを読んでいきます。

まずは出演者を集めて配役と台本の読み方などを、も
もちゃんが説明してくれました。

一度流し読みをしたところ…
「みんな結構うまい!」
「実際動いてできるかもね」

静止しての練習がもったいないくらい、みんななかな
かの役者です。そして実際に体を動かしてのセリフ合
わせ。それぞれのキャラクターに合ったセリフや配役
は、成功の兆し。
「そうそう!感じ出てるよ!」

3回も読みあわせをしていくと、人前で声を出す・表
現するということにも慣れて(最初から平気な様子で
したが…)、演技力に拍車がかかっていきます!
シーくんのお尻は、演技の一つです…

ももちゃんはともちゃんに直接演技指導。
練習を重ねるごとに気分も高まっていきます。

明日も練習だ!

■3.お授業―フレネ、そして学校■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2006.htm

今日のお授業は、数学のベン図の説明から。
「じゃぁ、このホワイトボードを子どもの活動する場
所にして、フレネの輪と学校の輪を書くと…。」と、
みんなでフレネと学校の違いを考えてみる。

まず最初に出てきた意見が、
「フレネにはボランティアがいる!」
みんなにとって、普段いかに近くの存在なのかがわ
かるなぁ。ありがたい限り。

その後も、キーワードとなるのは、
『マイペース』
『自分で決める』
『管理される』などなど…。

「フレネには会費があるねぇ。」
「学校は?給食費とか。」
「それは、食費みたいなものかな。ずっと食べていな
かったら返ってくるでしょ??」
これも大きな違いの一つ。公立の学校以外では通う
こと自体にお金がかかるね。

●義務教育??

さらには『義務教育』という言葉がキーワードに。
「子どもは、学校に行かなきゃ行けない義務がある
んでしょ?」
「学校でもそうやって言われたし。」
ちょっと悲しくなる現実。みんなの歩いてきた道が何と
なく見える。

「こういう考え方もあるんだよ。僕はこっちの考え方。」
と、説明。

義務教育の『義務』とは大人が子どもに対して負うも
の。これは、保護者のみならず社会の大人全体が負
うべきもの。子どもの活動する場所を提供していくの
かが、大人の義務。

「じゃぁ、子どもは??」
「子どもには、生まれた瞬間から教育を受ける権利が
あるんだよ。だから、みんなの目から見たら、権利教
育。自分の権利をどこで行使するかは、みんなの手の
中にあるんだよ。」