デイリーフレネ

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2007年06月04日

vol/1353

============= ◆   日刊通信   ◆ =============
============= ◆ デイリー・フレネ ◆ =============
-------------------- VOL/1353--------- 2007/06/05
//////// CONTENTS //////////////////////////////
1.穏やかな一日―新宿
2.ものつくり―ティッシュカバー作り
3.言語学習能力の優位性―ひできのオーストラリア便り(7)
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★今日はなんの日
1864 新撰組が京都・三条の池田屋に集まっていた尊王
   攘夷派の志士を襲撃

★今日の花言葉
マリーゴールド「可憐な愛情」

★今日は誰の誕生日
ベネディクト(人類学者 米 1887)

★今日の名言
「物事を考える人間はおおぜいいるが、行動を起こすの
はたった一人だ。」
             ―シャルル・ド・ゴール―

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■1.穏やかな一日―新宿■

http://www.jfreinet.com/report/index2007.htm

● わたしは誰でしょう?

集まる人が少ない静かな月曜日。休み明けのエンジ
ンとして、レクリエーションをして過ごします。

今日のゲームは、背中に張られた単語(これが自分
の正体)を当てるというもの。

自分の背中は確認できないので、相手に「わたしは
こういうものです」と、背中を見せて質問→推測し
なければなりません。
質問は、「はい、いいえ」で答えられるものだけ!
お題は食べ物限定にしました。

「わたしは、肉料理ですか?」
「いいえ!」
「フライパンで焼いて、皮を使う…んー、僕は何な
んだろう??」
いい線まで行ってる、シー君。しかしなかなか正解
までたどりつかない!

「あなたは、みかんですね!」
相手の正体を無邪気にばらしてしまったのは、けい
ちゃんでした。

● お大事に…

季節の変わり目。暑かったり、夜寒かったりと体調
を崩しやすい時期です。

風邪気味のスタおきょうに対して、けいちゃん、
「大丈夫?お休みしたら?お休みしておうちで寝て
いるのがいいよ」
なんて優しい言葉!どうもありがとう。

「でも、わたしがお休みの間、みんなはどうしてい
るの?」とたずねると、
「お休みしておうちで寝ているの」

はしかも流行っているようです。皆さんも体調管理
には気をつけましょう。


■2.ものつくり―ティッシュカバー作り■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2007.htm

今日は、家族親睦会のためのティッシュカバー作り
を進めます。

「次の工程は…、」と、ユータが作り方を調べ、それ
をお手本にみんなも進めます。
「ここは、こうやって…、」と、みんなに教えている
姿は心強い!!

針仕事だけではなくて、アイロンがけも必要!!
「アイロンのかけ方は…、」と、全般的な作業が含ま
れています。

みんなの進み具合はなかなかのもの。
「これは、ちゃんと出来上がりそう!」
ちょくちょく進めていけば、完成は見えてくるね!!
みんな地道に作業を続けていこうね!

「今日で、だいたいの形が見えた!」と、ユータ。
どういう形になるのかをチェック。
「おぉ!いいねぇ!!」
いいプレゼントが出来上がりそうだね

■3.言語学習能力の優位性―ひできのオーストラリア便り(7)■
   ↓
http://www.jfreinet.com/report/index2007.htm

最近「言語の脳科学」という本を読み始めました。

そこでは、類人猿は、単語の羅列だけで意思を伝え
ようとしている様に見えるが、単語の羅列のみで、
それらに規則性がみられないこと。したがって単語
と物事の関連性を獲得するような、一般的な学習能
力はあても、それらを文法の規則に従って並べ替え
使い分けるということができないということが書い
てあります。
人間と遺伝子情報が平均で1.2%しか違わないチ
ンパンジーでさえも、人のように言葉を文法の規則
に載せて使うことができない、これが一体どういう
ことを示すのか?とても興味深い疑問です。

人には、文法形成能力があります。このことについ
て、何の存在意義があるのか、第二言語学習中の身
からすれば、不思議でたまりません。母語にとどま
らず、他の言語を学ぶ能力を持ち合わせている人間
の、世界規模での自然に対する影響力等等、言語か
ら沸いてくる疑問にはひじょうに悩まされます。

人間が、いかにして、単語の羅列から、文法形成に
至るのかは、第二言語を単語の羅列のみで話そうと
している日本人を見れば、誰でも疑問におもうこと
でしょう。

というのも、日本人と他の国の人との英語の学習方
法が違うからです。しかし「流暢に英語を話す」と
いうゴールは同じであり、誰がこのゴールを決めた
というわけでもありません。しかし、人間は、まる
で食事を食べるという動作を誰からも教わらずとも
「食べる」という動作にたどり着く動物のように、
言語を学ぶのです。いちいち、チンパンジーに教え
るように、執拗に、根気良く教えたりする必要はな
いのです。

中には、同じ期間オーストラリアに居ても、未だに
カタカナ英語を話す友人や、文法の形成方法につい
て、まったく思考をめぐらせていない、不明確な学
習目的で留学している生徒もいますが、そんな彼ら」
でも、しゃべれなくとも、英語を聞き、理解すること
は、最低限のレベルではできています。

つまり、問題は、発声器官の発達の問題ではなく、
聴覚器官に入るある一定のリズムや、配列にのった
単語を聞きとる力が人間にはあるのではないかとい
うふうに考えられます。無論、留学生は、一人でオ
ーストラリアに来ているのですから「せめて英語が
聞き取れれば」と英語を学習する必要性を感じたり
「もっともっといろんな会話したい」という熱意が、
自然に脳裏に沸いてくるということが、大いに、第
二言語習得過程に大きく響くわけですが、それにし
ても不思議なものです。

他の動物の上に立ち、言語を使うことができるとい
う、人間の、部分的優位性の、未来における、自然
に対する影響というものを想像すると、この部分的
優位性から、未来を予測する手がかりが得られるの
ではと、夢を膨らませたくなるものです。


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